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オフィスのストレス処方せん トップへ戻る]2007.5/23更新
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処方せん2:ストレスはなぜ起こるのかを知る

不幸な“心のクセ”がストレスを呼ぶ
 ストレスに強い心を育てるために、まずはストレスが起こる仕組みについて学びましょう。「同じ職場で働いていても、ストレスを強く感じる人、あまり感じない人がいますよね。この違いはどこにあるかというと、ストレスに対する個々人の認識の違いにあるのです」と吉本さん。

 ストレスに対する人間の反応を、図にしてみました(右参照)。それを見ながら、さらに詳しく考えてみることにします。「例えば、“仕事でミス”などのストレスが起こったとします。ストレスは一緒なのですが、それぞれ個人の“心のクセ”によって、解釈が異なってくるんです。“また頑張ればいいさ”と解釈した人はあまりストレスを感じませんが、“自分は何をやってもダメな人間だ”と解釈してしまった人には大きなストレスが生じてしまうのです」
 ストレスを呼ぶ物事の解釈の仕方を、吉本さんは「不幸な“心のクセ”」と呼びます。「軽度のうつ病の多くは、この“心のクセ”が積み重なることによって発病するといえます。自分の“心のクセ”に気付いて、それをできるだけ修正していくことがストレス予防には大切なんです」

 この“心のクセ”を修正していく方法を、心理学の分野では「認知療法」と呼んでいます。この療法を基に、下記に日常で陥りがちな「不幸な“心のクセ”」をシティ風にアレンジして10個並べてみました。普段、自分が物事に対してネガティブな解釈をしていないか、点検をしてみてください。

不幸な心のクセCheck!
  いつもではなくても、「たまにこんな解釈をしてしまうなあ…」という人は要チェック。何かのストレスに直面したとき、一度深呼吸して“心のクセ”をセルフチェックしてみてください。
オフィスのストレス処方せんイラスト
ストレスに対する人間の反応
▼チェック表
check
1.白か黒か
“白か黒か”といった両極端な見方をしてしまう。中間の灰色の部分がなく、少しでもミスをすると完全なる失敗だと考えてしまう
 
2.一般化
たった1つのよくない出来事があるだけで、「すべてがダメだ!」と考えてしまう
 
3.こだわりすぎ
たった1つの失敗にこだわり、そればかりをクヨクヨ考えてしまう。現実を見る目がすべて曇りがちに
 
4.マイナス思考
良い出来事を無視して、日々の生活すべてをマイナスに考えてしまう。やる前から「どうせ失敗するんだし…」とネガティブにとらえてしまう
 
5.結論の飛躍
客観的な根拠もないのに、自分勝手に悲観的・否定的な結論を出してしまう。他人の心を深読みしすぎて、自分に対して否定的だと思い込んでしまう
 
6.拡大解釈と過小評価
自分のささいな失敗を過大に考えてしまったり、逆に良い出来事を過小に評価してしまう
 
7.感情で解釈
自分の憂うつな感情は、今の現実をリアルに反映していると考えてしまう
 
8.過剰な義務感
何かをするとき「すべき」「しなければならない」と考えてしまう。そうしないと罰でも受けるかのように感じ、失敗すると大きく挫折感を持つ
 
9.レッテル貼り
ミスをしたとき「ダメな人間」などと、自分にすぐ否定的なレッテルを貼ってしまう
 
10.何でも自分のせい
何かよくないことが起こったとき、自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまう
 
処方せん3:職場のストレス事例から学
臨床心理士がわかりやすくアドバイス
 「不幸な“心のクセ”」が、どのように職場でストレスを生むのか、実際の読者の事例を見ながら考えてみます。臨床心理士である吉本さんのアドバイスを参考にしながら、ストレスへの耐性を高めていきましょう。
(1)白か黒か+(8)過剰な義務感がクセ
大きなミス、すっかり自信をなくしてしまった(K・Sさん、26歳/流通)
 仕事を丁寧に、完ぺきに仕上げることが得意。今まで、その仕事ぶりが上司にも評価されてきました。でも先月、仕事で初めて大きなミスをしてしまいました。それ以来、信頼がすべて失われたような気がして、また失敗をするのではないかと常に神経を張りつめながら仕事をしています。今までの自分の仕事のやり方にすっかり自信をなくしてしまいました。
オフィスのストレス処方せんイラスト
Advice  義務感は大切ですが、過剰になりすぎるのは問題。高すぎる目標設定は、当然の結果として挫折経験が増し、自分を見失いやすくさせます。及第点を60点ぐらいに設定して、小さな成功体験を積み重ねることが大切。失敗は成功のステップなんですから。
(2)一般化+(4)マイナス思考がクセ
人間関係が最悪。何をやるにもおっくうでイライラ(M・Sさん、30歳/商社)
 職場の人間関係が最悪です。どんな難しい企画も「どうにかしろ」と一点張りの上司、いくら丁寧に説明しても自分の主張を曲げない後輩。そして、要領のいい同僚が能力以上に評価されることに腹が立ちます。もう最近は、何をやるにもおっくうでイライラ。「どうせダメだろう」と、何もかも投げ出したい気分になっています。
Advice 会社のストレスの大半は人間関係が原因。でも、ちょっとした発想の転換が視界を大きく広げる場合もあるので、やはりポジティブに考えたいものです。その一方で、「他人は変えられない」という意識を持つことも大切。特に内省的でない人を変えようとすることは精神的に消耗しますし、無駄な結果に終わるでしょう。実際に変えられるのは、「自分」と「相手」との距離感だけです。場合によっては、できるだけかかわりを持たないようにするという選択肢もあります。
(6)拡大解釈+(5)結論の飛躍がクセ
目標を達成できず、自分の能力のなさに落ち込んでいる(T・Tさん、28歳/サービス)
 一般職から総合職に立場が変わり、責任のある仕事が増えてきました。でも、先輩たちのようにスムーズに仕事を処理できず、自分の能力のなさに悩んでいます。最近は、後輩のいる前で上司に大声で怒られてしまいました。それ以来、後輩の態度がよそよそしく、「自分をバカにしているに違いない」と思って落ち込んでいます。
Advice 自分の能力を客観的に評価することが必要です。最初からすぐれた人なんていません。これから成長していけばいいんです。また、上司に怒られたという事実に固執して、後輩の心も深読みしてしまっています。深読みや早合点は「不幸な“心のクセ”」の代表格。私たちは意外と「根拠のない事柄」に振り回され、消耗している場合が少なくないのです。
オフィスのストレス処方せんイラスト
(2)一般化+(3)こだわりすぎがクセ
彼と別れて以来、仕事におもしろみが感じられなくなっている(A・Nさん、31歳/メーカー)
 半年前、3年間交際していた彼と別れました。結婚を考えていただけに、大きなショックを受けました。それ以来、今まで楽しく感じていた商品企画の仕事にもおもしろみを感じられなくなっています。「仕事は自分にとってどんな意味があるのだろう」、最近はそんなことばかりを考えています。
Advice 1つの不幸な出来事が生活全体に悪影響を与えることは避けられません。でも、仕事も、恋愛も、生活のあらゆる事柄はすべて独自の価値を持っています。「すべて価値がないように思える」といった主観的な世界に埋没してはいけません。公私の区別に努めながら、時がたつことを待ちましょう。時間は冷静さと忘却を与え、必ずや心を癒してくれるはずです。
■処方せん1:今の自分の“心の状態”を知る■処方せん2:ストレスはなぜ起こるのかを知る
■処方せん3:職場のストレス事例から学ぶ■処方せん4:プラスαのストレス予防法
■処方せん5:みんなが“うつ”にならないために
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矢印今週の特集トップ [情報掲載日:2007.5/23]