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“世界のキタノ”は、昨今の日本映画界を取り巻く状況が大いに不満のようだ。「オレの映画があまりにも(人が)入らないのに、ほかの間抜けな映画に客が入るからさ。その怒りがあるね」 そのうっぷんを、新作「監督・ばんざい!」にたたき込んだ。同作品はキタノ・タケシ監督(ビートたけし)が、新作映画の撮影に入るも、次々と中断してしまうコメディーだ。「ドキュメンタリーだと思って見てくれた方がいいかな。映画を撮ろうとして失敗して、やけくそになっていく監督のドキュメンタリー」 劇中でキタノ監督は、小津安二郎風家族ドラマ、「ALWAYS 三丁目の夕日」よろしくの昭和30年代のドラマ、時代劇、苦手なラブ・ストーリーなどにチャレンジ。しかもこれが、実際に、北野監督が一度は着手しようとした企画だから笑える。「“三丁目のなんとか”なんて、オレが育った足立区とは場所が違う。みんな生きるのに必死で“血と骨”みたいな悲惨な話になっちゃって、ちっともほのぼのしないんだ。盲目の画家の恋物語なんて、“目の見えない画家がどんな絵を描くのか分からない”とスタッフに言われるし(苦笑)」 そう北野監督は笑い飛ばすが、ビートたけしの悪夢を描いた前作「TAKESHIS'」同様、ブラウン管からは見えない北野武監督の苦悩がかい間見える。今や“キタニスト”は全世界におり、常に、新作映画を待ちこがれられる存在となった。そのプレッシャーがないといえば、ウソになるだろう。 「“TAKESHIS'”は“産みの苦しみ”があって、あの作品は孵化(ふか)する前の卵みたいにもだえ苦しんでいるんだけど、今回は頭だけポンと出た感じがする。次は完全に羽根も乾いて、卵から飛び出していくよ」 また、先日行われたカンヌ国際映画祭60回記念映画として製作された短編「素晴らしき休日」の同時上映が決定。「入場料が1200円高くなります(笑)」。冗談ですから! |
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