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優しげなまなざしと確かな演技力で、実力派俳優へのステップを着実に歩んでいる姜暢雄(きょうのぶお)さん。そんな彼の輝きを目にとめたのが、日本屈指の演出家・蜷川幸雄さんだ。「自分なら彼の才能をもっと引き出せる」と、自らが演出する舞台「恋の骨折り損」へ姜さんをキャスティングした。その蜷川さんについて、姜さんは「会話の中で僕の内面を見ながら、僕を伸ばすための演出を考えてくれていたような印象。ひとつの作品一緒に作り上げていく中で、頼りになる存在ですね」と話す。 「恋の骨折り損」はシェークスピア作の恋愛喜劇で、今回は男性ばかりで演じるシリーズの第3弾。その中で彼が演じるのは、国の発展のために恋愛を禁止した国王が、思わず一目ぼれをしてしまうフランス王女だ。女性側から恋愛を見てみると、「やはり恋愛の上では女性の方が、良い意味でしたたか。男性は簡単に女性の手のひらの上で転がされてしまう。台本を読んでいても、女性の視点は怖いくらいに鋭い。かく言う僕自身は女性に転がされたいタイプなんですけどね(笑)」。 昨年は話題作「NANA2」に出演するなど、ドラマや映画でも活躍する姜さんだが、彼の中で舞台は特別なのだそう。「ドラマや映画は、シーンによって個人作業になることも多いけれど、舞台は生なのでみんなが納得いくように作品を作り上げて、観客に見てもらうことができる。僕は趣味がフットサルだったりするので、もともとチームプレーが好きなんでしょうね。それに、舞台は約1カ月のけいこ中にいろんなことを考えて試すのが楽しいんですよ」 試行錯誤を繰り返す舞台の日々は、毎日がテストのようだと姜さん。自分なりに考え、答えを見つけようとする日々の中で役者に対しての考えも変わっていった。「デビューしたころは頑張らなくちゃ、認められなくちゃと焦っていました。すごいハマり役をもらうことで、ある日突然、自分が画期的に成長することもどこかで夢見ていたかもしれない。けれど、目の前にあることを大切にしていくことが次へとつながるんですよね。半年や1年という短いスパンではなく、長いスパンで結果は求めていけばいいと気付きました」 若さゆえの“焦り”や“気負い”といった荷物を降ろし、ひとつずつ壁を乗り越えていく姜さん。自然体という新たな魅力を身にまとった彼は、これからも確実に羽ばたいていくに違いない。 |
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