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「10代のころは誰かの妹役とか、学生の役が多かったです。でも、20歳を過ぎてから、大人の女性の役が来るようになりました。職業もさまざまで、時には母親役も。特に、昨年から今年にかけてはシリアスからコメディーまで役柄も幅が広がって、本当にうれしいんです」
デビューして10年、「今とても充実している」と笑顔で語る吹石一恵さん。新作「素敵な夜、ボクにください」では女子カーリングを題材にしたラブコメディーに挑んでいる。
「以前はカーリングって、ボーリングに似た簡単なゲームだと思ってたんです。でも、やってみたらそうじゃなかった。片方の靴の裏側が滑るようになっていて、そちらに体重を乗せて氷の上を移動する。まずこれに慣れるのが大変でした。それと、リンクが寒いんですよ。まるで冷蔵庫のチルド室みたいでした(笑)」
吹石さんが演じるのは、売れない女優の木村いづみ。彼女が女子カーリングチームを結成するのは、有名になりたい一心からだった。
「動機としては不純だし、チーム結成のために妹や幼なじみを平気で巻き込む。自分のことしか考えてなくて、大人の女性としてはマズいんですよ。でも、いづみは気持ちいいぐらい、自分の夢に向かってまっしぐら。だから憎めなくて、周りもいづみにひかれてしまう。実は私も彼女の正直さには心打たれて…。いづみがイヤな女性に見えないといいなと願いながら演じていました(笑)」 本作ではそんないづみを支える故郷の友達との心のふれあいと、いづみたちにカーリングをコーチする韓国人男性との恋愛が描かれる。演じるのは、韓流スターのキム・スンウ。
「ぜんぜんスターぶってなくて、自分から“オッパ(お兄さん)と呼んで”というほど、とってもいい人。オッパが英会話の先生になってくださったり、ちょうど開催中だった野球のWBCで盛り上がったり。まさに異文化交流の日々でした」
和気あいあいとした現場の雰囲気が、楽しそうに撮影中のエピソードを語る吹石さんから伝わってくる。 「俳優は仕事のオファーがあってこそ活躍できる。これからも、“吹石にこんな役をやらせてみたい”と思われるように頑張りたいですね」
文/映画ライター 前田かおり
撮影/星元
ヘア&メイク/山田典良(e.a.t...) |