テレビドラマシリーズでもヒットした「大奥」が豪華に映画化。西島秀俊さんは、歌舞伎役者・生島新五郎役で、大奥総取締役の絵島(仲間由紀恵)とのラブストーリーを演じる。
「生島は初め、策略として絵島を口説き落とす仕事を引き受けるんですが、どこまで策略なのか愛情なのか、彼の本心が分からない…。だから西島をキャスティングしたって監督に言われました(笑)」
歌舞伎役者と、位の高い女性との身分違いの悲恋は、この映画の大きな軸となっている。「歌舞伎役者は大奥には入れないので、会える回数は少ないし、今では考えられない壁がたくさんあって、好きでも一緒にはなれない。でもそれを越えようとするところに人間ドラマがあるんだと思います」
「大奥」といえば、女性たちの壮絶なまでの愛憎劇が、恐ろしくも興味深い。ドラマ「大奥〜第一章〜」では、三代将軍・徳川家光として、“渦中の黒一点”を経験した西島さんは同シリーズの魅力をこう語る。
「大奥で渦巻く思惑は、実はおのおのの事情から生まれている。その根底には、自分のためではなく、相手の男性や子どものためという、とても女性らしい思いがあるんですよね。結果的に争いになってしまったけど、情愛から来る嫉妬(しっと)や憎しみは、今にも通じるものがある。そういう女性の本音みたいなものって、人間らしくてかわいらしいし、愛すべき部分だと思います」
「それに当時の大奥の女性たちは、好きとか嫌いじゃなくて、やるべきことをやるんだっていう、使命感を持って生きている、そこが魅力的」。そんな女性たちの懸命な生きざまこそが、この作品の見どころといえる。
西島さんにとって、「映画は自分の価値観を毎回ひっくり返されるもの」なのだそう。「だから毎日でも映画を見たい」と、自分が変化することを恐れない。「今正しいと思っていることは勘違いかもしれない、と思わされるのは楽しい。僕は固まることなく常に変わっていきたいと思っています」 |