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City Selection
2006.10/4更新

しなやかに、軽やかに、大人のヒロインへ進化し続ける女優

池脇千鶴

 「ジョゼと虎と魚たち」での“スゴイ演技”から3年。自ら脚本に目を通して出演を決めるという池脇千鶴が最新作に選んだのは、恋や仕事、人間関係に不安や悩みを抱える4人の女性を描いた「ストロベリーショートケイクス」。彼女たちの世界はとても赤裸々で、男の目からするとちょっとイタかったりもする。いわば“男子禁制”のガールズ・ムービーという感じなのだ。

 「確かに生々しくって、女の子が絶対男の子の前では見せないような部分を切り取った感じですよね」

 彼女が演じたのは、運命的な恋を待ち続けるフリーターの里子。映画は、里子の壮絶なフラれシーンで幕を開ける。まさに最悪の出来事だ。

 「私にも“最悪”の経験はあります。恋でもそのほかのことでも…。里子ほど悲惨じゃないし、内容は言えないけど(笑)。だから、フラれて落ち込んだ後は何でもできそうっていう気持ちは、よく分かります」

 里子以外の女性も不器用にもがいている。好きな男に対して友達以上の関係に踏み出せないデリヘル嬢の秋代、結婚願望の強いOLちひろ、過食症をひた隠すイラストレーターの塔子…。

 「私も結婚願望が強かった時期があったので、ちひろの恋への執着や、男性に優しい言葉をかけてほしいっていう女の子らしい部分は、正直、見ていて胸が痛かった。そして秋代さんの恋は、とても切ない」

 終盤、彼女たちがそれぞれの幸せに向けて歩き出す姿は、すがすがしく、頼もしい。脚本を読んだ矢崎仁司監督が「4人全員を抱きしめたい」と語った気持ちがよく分かる。

 「見た目のせいか、今まで幼い感じの役柄が多かったんですが、この映画に出合って、私をきちんと大人として見てくれている制作者もいるんだなと分かってうれしかったです。これからは暗くても、重くてもいいから、どんどん大人の女性の役に挑戦していきたいですね」

 ちなみに里子の口グセは「恋がしたい…」。自分自身もそう思う?

 「恋ですか? してますよ!」

 こちらの予想を軽々と飛び越える明るさとバイタリティー。間もなく25歳を迎えるチーちゃんは、大人の色香をまといながら、さらなる“スゴイ演技”を見せてくれることだろう。

松雪泰子

 文/シティ編集部 相澤裕之 撮影/黒澤義教 

プロフィール
池脇千鶴

1981年11月21日、大阪府生まれ。97年に「第2回CM美少女オーディション」で8代目三井のリハウスガールに選ばれデビュー。99年、「大阪物語」のヒロイン役で映画デビューし、数々の新人賞を受賞。「化粧師」「ジョゼと虎と魚たち」「ナイスの森 the first contact」などの映画をはじめ、TVドラマでも活躍。現在、魚喃キリコのコミックの映画化で、中越典子、中村優子、加瀬亮、安藤政信らと共演した映画「ストロベリーショートケイクス」が公開中。また、来年1月から放送のNHK大河ドラマ「風林火山」では、武田信玄の正室・三条夫人を演じる。