このところドラマや映画に引っ張りだこの忍成修吾さん。涼しげな風ぼうで独特の存在感を放っている。
映画「アキハバラ@DEEP」では、まさに“アキバ系”らしい、こだわり屋でマニアックな役どころだが、「僕自身は逆に、趣味やこだわりがないので、欲しいんです。好奇心は旺盛なんですけど、大好き、というところまで行かなくて…。僕はわりとあまのじゃくでマイペースですね。一人でいたいというよりも、他人がガーガー言ってても別に気にならない感じ。だから、わりと一人で考えて一人で決断することが多い。相談したとしても、最後は自分で決断してるかな」
とはいえ、彼がとても大切にしているのは、人とのつながり。「僕は人にいろいろ言われて、そのとおりにやるタイプではないので、言葉というよりは“いてくれ方”“存在”が大きいですね。近くにいてくれて楽だったとか。誰か一人の出会いでドカンと変われるものでもないし、一つ一つの出会いや存在で、ちょっとずつ変えられている気がする。それに、“あの人との出会いがあったから、学生時代にこの人に会って変われた”とか、出会う順番にもちゃんと意味があると思う」
忍成さんといえば、ライフカードのCMでの態度の悪い新人役が印象的。「あんなこと、普通できませんよね(笑)。ああいう新人や後輩がいたら…何か気付いてもらう言葉を探します。怒ったり、頭ごなしには言わない。だって、悪いと思ってないから、それがやっかいで。注意されても、注意した相手にとっては悪いことなんだ、と思うだけ。その言動自体が悪いことだと自覚しなければ、人は変わらないですからね」
実に冷静で深い言葉が続く。
「僕けっこうね、自分が思うようにいかないときも、あらがうよりは“よくあることだ”と思っちゃう。熱くなっても解決できないから。自分に対してもどかしいことはたくさんあるし、若いころはカーッて怒ってましたけど(笑)、最近、それはムダってことに気付きました。怒った方がいいってことはあまりない気がする。起きてしまったことを引きずるのが悪いわけじゃなくて、引きずりながら、次にやらなきゃいけないことを考えればいい。それはすでに前を向いているということで、それに集中すれば、結果的に後ろが気にならなくなるんじゃないかな」。あの“新人役”とはかけ離れた、老成した説得力に敬服させられた。 |