「物欲がすごくって、少し前までは電器製品にハマッてました。電器店には夢が詰まっているんです(笑)。最近は家具が気になっていて、いろんな店をよくのぞきますね」
最近、骨太な役が続いていたせいできまじめな青年を想像していたが、インタビュールームに現れた玉木宏は気さくに会話をつないでいく。幅広い役をこなし、演技派としての評価が高まっているのも納得の魅力だ。その玉木は映画「変身」で、人格が変化していく青年・純一という難役に挑戦した。
「今回は台本が書き込みでぐちゃぐちゃ。純一は単なる二重人格ではなく、徐々に人格が侵食されるという設定。同じ日に前半と後半を撮影することもあるし、シーンごとに純一の人格バランスを確認しながら演じていました。恋人メグの気持ちも追わなければならないし、監督と蒼井優ちゃんとのディスカッションは欠かせませんでした」
東野圭吾の原作だけあって、ヒネリの効いたミステリーに仕上がっているが、物語をけん引するのは純一とメグの愛情だ。確かなきずなで結ばれていた二人の葛藤(かっとう)は、純一の切なすぎる選択で予想外の結果を迎える。もしも玉木が同じ状況に置かれたら?
「純一の選んだ方法は極端だと思いますよ。メグは今後立ち直れないかもしれない(笑)。でもメグは、ひどい男に変わった彼にもひたすら愛を注ぐような女性でしょう。思いをあきらめさせるためにも純一は思いきった行動に出るしかなかったんですよ。見方によっては愛の究極形なんじゃないかな。命がけの愛は理想的だけど、僕はまだ自信ありません。男なんで、“いちずでいたい、でも…”となっちゃうから」
本音が思わずポロリ!? とはいえ、いやらしさはゼロ。野球やフットサル、ボクシングで汗を流し、写真撮影が趣味というさわやかオーラのせいだろう。そんな彼が今回はダークで複雑な男に大変身。役者としての幅をさらに広げたといっても過言ではないのだ。 |