ニューヨークの道ばたに座っていたところをスカウトされ、インディ映画「KIDS/キッズ」に出演したのが15歳の時。そんな偶然的デビューを果たしたロザリオ・ドーソンに、まさかここまでの歌とダンスの才能があるとは、誰も思わなかったはずだ。しかし映画版「RENT/レント」で彼女が歌う場面は、吹き替えはいっさいなし。正真正銘、彼女の声だ。
「ママが歌が大好きだったこともあって、子供のころから歌はずっと私の生活にあった。歌うのはタダだしね(笑)。掃除機をかける時だっていつも歌っていたのよ。舞台のミュージカルを目指してオーディションを受けるようなことはなかったけど、“レント”が映画になると聞いて、これはチャンスだと思ったの」
ドーソン以外の出演者は、ほとんどがブロードウェーのオリジナルキャスト。ミュージカルのベテランであるだけでなく、これらのキャラクターをいちから創造した彼らに囲まれても、緊張しなかったというのは、いかにも明るい彼女らしい。
「転校生みたいな気持ちになることはなかったわね。映画の仕事を長くやってきたから、新しい仲間とすぐうち解けるのは得意なの。それに私は“レント”に登場するような人々と一緒に育ったせいで、その世界をよく知っている。この作品にはパーソナルなものを感じるのよ」
ヘロイン中毒のミミ役がぴったりはまっている彼女、「キッズ」といい「シン・シティ」といい、どうやら暗い役を好む傾向にあるようだ。
「自分と違う人物を演じるほうが面白いじゃない? でも思い切り笑わせてくれる娯楽映画も好きよ。実際、今、本当にばかばかしい映画をプロデュースしているところなの。ヘビーでエッジの効いたものばかりやり続けるつもりはないもの」
今年全米公開予定の出演作は6本。売れっ子の彼女は私生活も順調で、恋人で俳優のジェイソン・ルイスと一緒に、最近ロスに引っ越したばかり。
「人間二人と犬とで住むにはロスのほうがスペースがあるから。でも、ニューヨークは私にとってスペシャルな場所。今後もニューヨークで映画を作っていけたらうれしいわ」
(映画ライター 猿渡由紀) |