映画や舞台で個性的な難役をこなす新鋭の女優、黒木メイサさん。主演の舞台「あずみ」が1年ぶりに再演される。「“あずみ”との出会いは私にとって特別」と言う。「私自身とあずみとは気持ちの上で重なるところが多いんです。彼女が“自分が男なのか女なのか”って悩む部分と、私が実生活で子ども扱いされるわけでもないけど、大人として認められるわけでもない、自分がどっちなのか分からない、中途半端な揺れる気持ちがすごくリンクします」
年上の役を演じることが多い黒木さんにとって、あずみは等身大の人物。「きっと私が20歳であずみの役をやっても、彼女の悩む気持ちは分からなかったんじゃないかって思います。だから今の年齢でこの役をいただけたのはとっても幸運ですね」
あずみは、戦国時代に刺客の使命を負わされた少女剣士。その魅力は“ピュアさ”。「だけど、あまりにも外の世界を知らなさ過ぎて、それがまた残酷。何が正しいかも分からなくて、なのに人を斬っていかなきゃいけなくて…。もし、私があずみの時代にいたら、ひたすら怒ってるんじゃないかな(笑)」
昨年の初演以来、黒木さん自身に大きな影響を与えているあずみの存在。「別の仕事をしていても、あずみのことを思い出します。例えば、悩んだりしたとき、あずみはあれだけやったんだからとか、私は舞台(あずみ)であれだけ頑張れたんだからこれぐらい大丈夫、って思えるようになって(笑)」。“自信”をくれたあずみ。役としても人間としても運命の出会いだったようだ。
「私、楽屋でもひたすら食べてるんで、ハードな舞台でも太っちゃうんですよ。それはどうなのって感じですよね(笑)」。息抜きは、食べることと半身浴、友達との買い物やおしゃべり。知的で凛(りん)とした美しさの中に、“17歳の女の子”がのぞく。仕事を持つ女性としては、「OLさんは大人の女性として憧れ。仕事もバリバリやってるのに、オシャレな感じで理想」だとか。「仕事ってツライことも多いし、例えば、体調が悪くても舞台に立たなければならないし、言い訳もできない。私はそういうとき、気持ちだけでも誠意を持とうと思っています。やるからには中途半端が一番嫌いなので、心持ちだけでもそうすれば次が変わるかなって」
大人っぽさと初々しさが程よく同居している旬の魅力と、まだ未開拓の可能性を大いに秘めた女優だ。 |