週刊少年ジャンプに連載され、80年代に一世を風靡(ふうび)したマンガ「北斗の拳」。主人公ケンシロウの決めぜりふ「おまえはもう死んでいる」を聞いて、懐かしいと感じる読者も多いのではないだろうか。同作品が、新たなアニメーション映画として再び私たちの前に登場する。今回のストーリーは、原作で明かされなかった秘話。早くも公開前から話題を呼んでいる。
タイトルは「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」。今回は、ケンシロウではなく、ケンシロウの兄・ラオウが主人公。そのラオウの声を演じるのが、宇梶剛士さんだ。190cm近い立派な体に精悍(せいかん)な顔つき、低くよく通る声…。まさにハマリ役といえる。
その存在感から、ファンから圧倒的な人気を得ている、ラオウ。宇梶さんはそんなラオウを「人とのかかわりや心の温かみを封印して生きている姿は、まるで鋭い刃物のよう。ここまで厳しく生きている人は他にいるのだろうか、というほどの闇のような厳しさと強さを持った人物」だと評す。「そんなカリスマ的な彼を演じ切るためには、僕の身すべてを彼にゆだねることが必要だった」
また今回の映画では、新キャラクターとして、ラオウをいちずに愛する美しき女性戦士レイナも登場。柴咲コウさんが声を演じる。ケンシロウ役の阿部寛さんを含めた3人のチームワークについて聞いてみると、「3人とも同じ思いで原作にほれこんでいるので、いちいち話し合わずとも目と目で会話するだけで十分だった」と自信をみせる。
ラオウを中心に織りなされる愛の物語。「ラオウは、口数も少ないし、自分にも、周りにもいつも厳しい硬派な男。でも、その中には深いやさしさと大きな愛が潜んでいるんです。映画の中で、硬派な男の繊細な心の動きを感じてもらえれば」
今まで、時流としてやさしい男たちがさんざんもてはやされてきた。でも、この映画をきっかけに、ラオウのような骨太の男が注目されるようになるかもしれない。 |