「燃えよペン」「スカルマン」などで知られる漫画家、島本和彦原作の映画「逆境ナイン」。廃部を言い渡された野球部が、次々襲いかかる“ありえないだろ”という不運な境遇に翻ろうされながらも廃部撤回のために甲子園出場を目指す、バカバカしいのに泣ける異彩を放つ感動ギャグ映画です。その中でキャプテン・不屈闘志を演じるのが、豊かな演技力と少女マンガから抜け出てきたようなルックスで、ドラマやCMに活躍の玉山鉄二さん。
「撮影は昨年の秋、三重県で合宿しながら行いました。監督の中には“合宿にしてしまえば、不条理なギャグにもわれに返らず演技できるだろう”という読みもあったそうです(笑)。そのおかげでキャストもスタッフもみんなで一つのゴールに向かっている一体感、充実感がありました」。だからこそ、クランクアップではみんなで本当に泣いたのだそう。しかし、撮影中は、作品のように逆境が訪れたことも。「ロケ中に3回も台風が襲ってきて、まさに“逆境”。隣の村では避難勧告が出てる中でも撮影が続き、スタッフと“ここでケガしたら労災に認定されるのかな”なんて話していました(笑)」
実写化不可能といわれた原作を映画化、CGも演技の後に付け足していくという通常の映画製作とは逆のスタイルなど、玉山さんの言葉を借りれば“今までにない日本映画”。「既成概念を何もかもとっぱらい、やりたいことをやりまくった、ワガママな作品なんです。監督も“こんな作品に制作費をだしてくれる人は本当にいい人だ”なんて冗談で言うくらい(笑)。深くのめり込まなくても楽しめる、いい意味で薄い映画なんです。何も考えずに笑ってほしいし、だけど見た後には何かが残ると思う」。そう語る玉山さんから感じるのは、満足のいく作品に出合えた、役者としての充実感。彼の新しい魅力と新ギャグ・エンターテインメントが、この夏今までにない感動をくれそうだ。 |