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vol.64 企業の社会貢献活動をレポート 2007.3/22 更新
その“会社らしさ”を生かした継続的な取り組みへ
“CSR(企業の社会的責任)”の観点から、企業の「社会貢献活動」のあり方に注目が集まっています。今回は、子どもに対する活動に力を入れている、コスモ石油と三菱商事に話を聞きました。
(取材・文/渡邊良子)
「社会貢献活動」を社会人としての生活の一部に
 阪神淡路大震災が起きた1995年以降、ボランティア活動への認識が変わり、企業の社会貢献活動でも本気の取り組みが目立ってきました。ただ、まだ社会貢献活動は特別なものだ、と考える人も多いようです。時間を割いてゴミ拾いや植林に汗を流すことだけが、社会貢献活動ではありません。会社の「募金活動」に参加するのも立派な社会貢献。まずは、自分ができる範囲で気軽に参加してみてほしいと思います。
例えば、ある会社では、バレンタインデーに義理チョコを配るのをやめ、自然保護団体のカードを500円で購入し、男性社員に配っているとか。こんなふうに、社会貢献活動が社会人としての生活の一部になるとうれしいですね。
コスモ石油
交通遺児対象の自然体験プログラムから
「子ども」「環境」「未来」への活動に展開

 「当社はクルマ社会と深いつながりがあります。そこで、交通遺児の小学生を対象とした“コスモわくわく探検隊”の活動を1993年から始めました」とコスモ石油の徳永恵美子さん。「毎年20人ほどの社員ボランティアを募集し、2泊3日のプログラムを実施しています。一度参加するとリピーターになる社員も」。この活動を通して得たボランティア活動のノウハウを、小学生を対象にした環境教育プログラム「コスモ子ども地球塾」や、入院中の子どもたちをサポートする「クリスマスカード・プロジェクト」などに生かしているとか。

 昨年からは、父親の育児参加を応援する目的で「パパとキッズのアートプログラム〜世界でたった一つの絵本〜」を実施。「みんな夢中で取り組んでいましたね。東京以外にも大阪、札幌、福岡で実施。今年は仙台や高松でも行う予定です」

 「“コスモわくわく探検隊”の活動を核として、活動のフィールドが広がってきた」という徳永さん。社員の興味や関心に合わせて選べるプログラムも、社員の参加を積極的に促す魅力となっているようです。

コーポレート コミュニケーション部 広報室 担当室長 徳永恵美子さん
コーポレート コミュニケーション部 広報室 担当室長
徳永恵美子さん
「パパとキッズのアートプログラム」の一コマ
「パパとキッズのアートプログラム」の一コマ。お父さんから子ども時代の話を聞き、子どもが絵をかいて絵本に仕上げます。アーティストのMAYA MAXさんがナビゲーター
三菱商事
「こころ」をテーマに社員参加で支えた
「母と子の自然教室」は33年間続く

 「当社の社会貢献活動の礎となっているのは、1973年に当時の社長が行った“社会に責任ある存在として企業は社会的コストを負担すべき”という考え方のスピーチ」と話すのは、三菱商事の平野裕美さん。同年10月に社会環境室を設置。「高度経済成長の一方で、“こころ”のきずなが希薄になってきている危機感が。そこで、豊かなこころをはぐくむことをテーマに、ひとり親家庭の母子を応援する“母と子の自然教室”を開始。昨年33年目で、延べ1万5000人以上が参加しています」

 事前の打ち合わせやキャンプもすべて土日など業務外に行われますが、社員ボランティアの募集はあっという間に希望者で定員がうまるそう。「子どもたちの笑顔に癒され、“ありがとう”の言葉にやりがいを感じるからでは」と平野さん。

 また、社外も含めてさまざまなボランティア募集を紹介する「ボランティアデータベース」も社内で作っているそう。「何らかのボランティアに参加した人には、“トークン”という仮想通貨がたまります。たまった“トークン”は福祉団体やNGOなどへ寄付する仕組みです。ボランティアが社会で循環する仕組みをもっと広げていきたいですね」

社会・環境室 平野裕美さん
社会・環境室 平野裕美さん
「母と子の自然教室」の一コマ
「母と子の自然教室」の一コマ。東京都内のひとり親家庭の小学生母子50〜60世帯が参加。山歩きや川遊び、じゃがいも掘り、肝試しなどを通して、夏の南魚沼の自然を満喫します
ほかにもあるさまざまな企業の「社会貢献活動」
環境問題でリーダーとなる 人材育成にも力を入れる 損保ジャパン
 「給与から任意で月100円以上を寄付する“ちきゅうくらぶ社会貢献ファンド”があります。集まった寄付金は、大学生などをインターンとして環境分野の団体に派遣する“CSOラーニング制度”の奨学金などに使われます。また、“市民のための環境公開講座”も実施。木を植えるより、木を植える人を育てたいとの思いで、人材育成を応援しています」(コーポレートコミュニケーション企画部 CSR・環境推進室 福渡潔さん)
輸送業の特性を生かして 開発途上国を支援するNPOのお手伝い 日本郵船
 「“カンボジア・ラオスの子どもたちに絵本を届ける運動”に賛同し、絵本に訳文シールを貼る作業や、現地への輸送に協力しています。シール貼りには、絵本好きな女性社員を中心に累計500人近くが参加しています。また、タンザニアなどへの再生自転車の輸送、アフガニスタンの子どもたちに使用済みランドセルを届ける活動にも協力。開発途上国への支援を続けています」(広報グループ コーポレート・シティズンシップ・オフィス 浜本佳子さん)
食や栄養、保健分野で 世界の人々の生活の向上を 味の素
 「1999年に味の素“食と健康”国際協力ネットワーク(AIN)を設立。NGOと連携し、アジア・南米9カ国で22件のプロジェクトを支援してきました。支援プロジェクトを社内外に紹介するための「国際協力フォーラム」も行っています。バングラデシュでは“栄養改善のための養蜂(ほう)事業”で当社が支援した養蜂関連の教材が大変喜ばれ、現地のモデル事業となることも期待されています」(コーポレートCSR部 金田奈津子さん)