ヘッジファンドとは少数の投資家からお金を預かって運用する基金のこと。だいたい100以下の個人や法人からお金を集め、市場での「売り」と「買い」を組み合わせて、相場の動きに左右されずに収益を上げることを目指します。通貨や株、債券に原油、穀物などの商品まであらゆるものを対象に割安なものを買って割高なものを売るのです。
もともとは欧米の大金持ちの資産を保全するため、市場が上昇しても下落しても一定の運用成績が維持できるよう生まれた投資のやり方でした。それが1990年代に入ると、リスクが高くても高率の運用益を得たいという投資家が増え、金融機関から資金を借り、高度な数式を用いて巨額の売り買いをする「投資」というより「投機」的な動きをするファンドが目立ってきました。代表的なのは1ドル=79円台まで円高を加速させたジョージ・ソロスの「クォンタム・ファンド」でしょうか。
日本でも株や債券市場が長く低迷していたため、年金基金や資産管理会社がヘッジファンドに資金の預託をするようになりました。年金基金はどんな市場条件でも確実に収益を達成するのが至上命題ですからね。
昨年末の時点で世界には9400以上のヘッジファンドがあるといわれます。その資産総額は推定で約1兆5000万ドル(約182兆円)。多くは海外に拠点があって日本語の詳細な情報開示はほとんどなし。業界団体もなく公的監督機関による規制もありません。
お金の流れが分かりにくいと、5月にポツダムで開かれた主要国(G8)財務相会合でドイツが規制強化を提案しましたが、アメリカとイギリスが「市場の活力が失われる」と反対。国際的な規制づくりは見送られましたが、日本経団連は企業防衛の立場から規制強化を求めています。
え、私には関係ない? そんなことはありません。マヨネーズの卸値が上がったのも、ヘッジファンドがトウモロコシに巨額の投資をして大豆が減産になり、原料の大豆油が割高になったからなのですよ。 |