経済ニュース
2007.6/6更新
ボーナスの使い方が円安に影響も!?

今回のテーマ

 今夏のボーナスは世界的な景気拡大を背景に3年連続で増える見通しです。ただ、去年と違うのは円安が進んでいること。あなたのボーナスの使い方次第では、円安をもっと加速させることになるかもしれません。

 みずほ総研によれば、5人以上の事業所のボーナス支給総額は前年比1.7%増の約15兆4000億円。1人あたりの平均では前年比0.8%増の約41万9000円とか。でも、これは中小企業を含めた全体の数字で、大企業はもっと出ます。トヨタ自動車は組合員平均で143万円(18.18%増)、KDDIは104万9000円(4.48%増)。賃上げをしないで固定費を抑える代わりに、もうかった分をボーナスで従業員に還元するのが最近のトレンドです。

 さて、このボーナスを何に使います? 住宅ローンに金融商品、パソコンや洋服など、あれこれ考えるのも楽しいですね。去年の夏と決定的に違うのは円安が進んでいること。5月中旬時点では、1ドルが120円台、1ユーロは160円台の水準ですから、海外旅行や欧米ブランドの買い物は去年より高くつきます。「ヨーロッパのプチホテルに泊まったら何万円もするとなると、夏の旅行は近場のアジアかな〜」なんて思案顔のお嬢さんが目に浮かびます。  実はこの円安は日本に原因があるのです。景気は回復傾向にあるものの、国内の消費者物価は前年比マイナスのまま。「この状態でおいそれと金利を上げてしまうと、せっかく上向きになった景気に冷や水をかけてしまいかねない」と日銀は低金利政策を続けています。

 海外の投資家は金利の高い欧米ではお金を借りずに、低金利の日本で円を借り、それを欧米やアジアの通貨に替えて投資します。すると海外市場の株が上がり、ドルやユーロが強くなるのです。私たちが外国の株や債券を組み込んだ投資信託を買っても同じことが起こります。自動車や電機など輸出関連の企業は円安効果でウハウハ。それで従業員がたくさんボーナスをもらって海外の金融商品を買うと、さらに円安が進むという図式です。

 ただ、この流れはいつまでも続きません。いずれ日本は金利上げに踏み切るでしょう。来年のボーナスが大幅に減らないよう、金融政策をしっかりやってもらいたいものです。

産経新聞編集局編集委員
早坂礼子さん
はやさか・れいこ 産経新聞経済部で経済官庁や各業界を20年あまり担当。2006年10月から現職
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