三角合併とは、AとBとC、3つの会社が関係する合併のやり方のこと。企業AがBを吸収したいと思ったら、子会社CをつくってBを買収する。これまでの法律ではBの株主にはCの株だけしか渡せなかったけど、親会社Aの株でもOKに。お金を用意しなくても自分の会社の株を相手の株主に渡せば買収できるから、「株価水準が高くて株式発行数が多い外国企業に有利だ」と日本の産業界は大反対しました。
確かに、外国企業の規模は半端じゃなく大きい。昨年6月末時点で製薬最大手の米ファイザーの時価総額は約22兆円と、日本のトップメーカー武田薬品工業の約3倍あるし、鉄鋼最大手のアルセロール・ミタルは約7兆円で、日本の最大手新日鉄の約3兆円を大きく上回っています。その気になれば外資は楽々と日本企業を吸収できるかも。だから日本企業にも買収対策を練る余裕を与えようと、三角合併は予定より1年遅れで施行されたのでした。
しかし三角合併の解禁を待つまでもなく、M&A(企業の合併・買収)の嵐はすでに吹き荒れています。この数カ月の間にも、田辺製薬と三菱ウェルファーマが経営統合を決め、百貨店では大丸と松坂屋が統合を計画中。サッポロHDは米投資会社の買収ターゲットに(4月16日現在)。世界を相手にビジネスをする企業が増え情報通信も発達して変化のスピードは年々速くなるばかり。昨年、日本企業のM&Aは件数・金額とも過去最高でしたが、これからもっともっと増えるでしょう。
15年近く前、私が金融担当記者だったとき、日銀の記者クラブで同じ日に決算を発表していた銀行は21もあったけど、いまや銀行は3グループに。自動車業界だって、外資の入っていない純国内メーカーは、トヨタとホンダくらいのものですね。横並びと株の持ち合いで仲良くやってきた時代は昔の話。仁義なき戦いはすでに始まっているのです。いつなんどき会社の名前が変わっても通用するスキルを磨いておきたいものですね。 |