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 今、ニュージーランドのマオリ族を主人公にした映画「クジラの島の少女」が世界でブームを巻き起こしている。サンダンス映画祭やロッテルダム映画祭などで観客賞を受賞。米国では当初9館のみで公開されたが、口コミでウワサが広まり、1カ月後には210館に拡大された。ちなみにマオリ族とは、ニュージーランドの人口約400万人のうち、20%を占める部族だ。
 「外国人がマオリ族を知らなくても、全然驚かないわ。だってニュージーランドでも、白人は私たちの存在を全く無視していた時期があるのだから。それが最近、マオリの文化を見直そうという風潮に変わってきたの。この映画が製作され、ヒットしたおかげでね」
 13歳とは思えないしっかりとした口ぶりでこう語るのは、自身もマオリ族であるケイシャ・キャッスル=ヒューズ。約1万人の少女の中から主演のパイケア役に選ばれたシンデレラガールだ。撮影当時11歳だったケイシャは、まさに迫真の演技で観客の涙を誘う。
 物語は、祖先はクジラに乗ってやってきたという勇者伝承をテーマにしている。代々男が族長を務めるという伝統にこだわる祖父になかなか受け入れてもらえないパイケア。そんな彼女が一族に奇跡を起こす、愛と感動のドラマである。
 「マオリには74の部族があって、それぞれが鳥とか魚とか、祖先が決まっていて、その生き物は絶対に食べない。そしてクジラは、マオリ全体が聖なる動物としてあがめているの。で、個人でもそれぞれ祖先があって、私は偶然にもクジラ。この役を演じたのは、運命だったのかもしれない…」
 将来女優の道を歩むか、まだ決めていない。しかし、母国はもちろん、米国からも出演のオファーが来ているという。彼女をキャスティングしたのが、ニュージーランド出身の天才子役アンナ・パキンをスカウトした人物であることから、彼女と比較されることも多いが、「私は彼女みたいにティーン向けの映画には出ないもん」とか。やっぱりしっかりしてますわ。
City Selection [2003年9月19日号]
 世界で旋風を巻き起こす
 ニュージーランドの新星
  ケイシャ・キャッスル=ヒューズ
ケイシャ・キャッスル=ヒューズ
撮影/渡辺誠 文/映画ライター・中山治美
★ プロフィル ★
 90年3月24日、ニュージーランド生まれ。「クジラの島の少女」(ニキ・カーロ監督)のパイケア役を探していたキャスティング・ディレクター、ダイアナ・ローワンによって、約1万人の中から選ばれた。現在もニュージーランド在住で、学業&モテモテ度ともに学校トップだとか。実は“キティラー”という子供らしい一面も持っている。将来は女優のほか、科学の先生になることを夢みている。
「クジラの島の少女」は恵比寿ガーデンシネマほかで公開中(配給/日本ヘラルド)
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