| 姿月あさと―。宝塚宙(そら)組の初代トップスター。彼女の退団公演に駆けつけたファンの数は、並みいるスターの中で歴代1位を記録。“トップの中のトップ”と言われ、多くの人に愛された彼女が、大きな羽根を肩から下ろして渡ったのが、バリだった。 |
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| 「結婚した相手の勤務地とはいえ、まさか自分がバリに住むなんて思ってもいなかったんですよ。でもね、バリに行ってみたら、風が気持ちいいなあ〜と」 |
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| 話を聞いているだけで、なんとも心地よさそうなバリの空気が広がる。そんな快適な場所で、さぞや優雅な結婚生活を…と思いきや、最初は冒険と驚きの連続だったそう。「あるとき、料理に使おうとザルを買いに行ったんです。家に帰って見てみたらザルの形はしているのに、穴が開いてなかったの! 普通では信じられないですよね(笑)」 |
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| 万事がこの調子で、サバイバルな毎日。そんな環境が宝塚時代と比べてあまりに違うことは想像に難くない。でも、なんだかとっても楽しそうで…。 |
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| 「不便ですよ。でも景色はきれいだし、踊りや音楽も美しい。それから人々の笑顔が最高なんです。笑顔って人から人に移るんですよ。生きる知恵もついて、たくましくなりました」 |
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| お金で買えないものを手に入れたと笑う彼女。そしてもう一つ、海外暮らしをして気がついたことがある。それは、“自分は日本人であること”。「当たり前のことですけど、日本人であることにもっと誇りを持とうと思いました」 |
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| そう思っていたら、得意の歌で表現するチャンスに恵まれた。サッカーの試合で国歌を独唱するという大役。「いつか日本人の代表として歌ってみたいと思っていたら、たまたま夢がかなった感じ。ほんの1分足らずでも、とても幸せな瞬間でした」 |
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| 今はバリと東京を“飛行機通勤”しながら、ボーカリストとして活躍中。今後はじっくり自分の世界観を表現したいと言う。「時間をかけてゆっくり進んでいきたい」と、会話中、何度も“ゆっくり”という言葉が口に出る。 |
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| 「毎日が追われるように過ぎていたから…ね。でも、15歳から30歳まで宝塚というハードな世界で生きてきたからこそ、今の自分があるんだって思います。毎日を楽しむコツは、ちょっとしたことでも自分が満たされる時間をつくること。これさえあれば幸せになれるから、試してみて!」 |
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| 大らかな笑顔の奥に力が宿る。聞いている方も元気になってきた。さすが、“神々の島”に暮らす人だ。 |
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