今週のシティリビ!

岸谷五朗
撮影/加藤孝
 一生懸命に生きているやつに、
 夢を与えたい
  岸 谷 五 朗
City Selection
プロフィル 1964年9月27日、東京都生まれ。役者。舞台、テレビドラマ、映画と幅広く活躍。92年から独自で舞台のプロデュースを始める。94年に寺脇康文とともに企画ユニット「地球ゴージャス」を結成。5月5日(日・祝)〜29日(水)の期間、日生劇場で「カルテ」を公演。チケットファン(URL:www.ticket-fan.com)またはTEL:03(5280)5911で特定日のチケットを発売中<4月2日(火)まで>。

 舞台活動をメインとした、岸谷五朗さんと寺脇康文さんの企画ユニット「地球ゴージャス」。その名前は、ある“挫折感”に由来するという。「阪神大震災が起こったとき、無力なもんだと感じたんですよ。役者には一体何ができるんだろうと」。そして行き着いたのが、少しの夢を与える存在だという考え。「役者とは人々を、つまり地球を豊かにするものだという思いから名付けました」。
 5月には、その第6弾となる舞台「カルテ」が控えている。テーマは“命”。近未来の医療の世界を、ミュージカルや笑いの要素を盛り込みながら描いていく。およそエンターテインメントが似つかわしくない設定を選ぶあたり、舞台に対して常に積極的であり続ける彼の姿勢を感じる。
 「医者は命の取引をしている職業なんですよね。そんな登場人物を通して、生きることの難しさとか命の尊さを考えてみたい。『地球ゴージャス』の芝居には“いかにして生きるか”というテーマが、必ず根底にあるんです」
 さらに、「一生懸命生きているやつほど、しんどいはず」と言葉を重ねる。
 「苦しみ、ドタバタ、悩み…。でも、懸命に生きてるやつって、外からはすごくすてきに見えるんですよね。苦しんでいることは、そいつにとっても決してマイナスではないし。うちの芝居の登場人物は、そうありたいと思っている」
 一緒に芝居を作っている寺脇さんについても、性格は自分とは全然違うが、やっぱり“一生懸命生きてるやつ”と評する。「作品に対する見方とか、価値観とか、最終的に行き着くところなんかは同じ。俺がバーッと走っていって、その途中で落とした財布やら定期入れやらを、あいつが拾って持ってきてくれるっていう関係。で、ゴールしたときは、俺、全部そろってる」。プラスに作用し合いながら、同じベクトルに向かって駆ける2人。そこから、次はどんな形の“ゴール”が生まれるのだろうか。
 話しながらテーブルにあったシティをめくり、芝居の記事に見入る。そんな岸谷さんにとって芝居とは?
 「命ある限り、ずっと一緒にくっついてくるもの。俺も芝居を捨てないし、芝居も決して俺を捨てないんでしょうね」
(シティ編集部 荒木昭子)


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