PROFILE/昭和35年生まれ、兵庫県出身。京都精華大学美術学部卒業後、昭和58年大丸入社。平成2〜5年にはパリにも駐在。統括マネジャー、部長職を経て、平成16年に同社初の女性店長として芦屋店長に就任。今年1月から札幌店の店長。また5月には同社初の女性執行役員に。趣味は、温泉や美術館、新しい店、話題のレストランなどへ行くこと。最近はゴルフも。
日本にある百貨店の数は266店舗(日本百貨店協会会員、7月31日現在)。そのうち、女性の店長はほんの数人なのだそう。
数少ない女性店長の1人が、大丸札幌店の柚木(ゆのき)和代さん。梅田店や海外勤務の後、芦屋店の店長を経て、今年1月に赴任しました。「標準語で話すようにしてるんやけど…」と言いますが、関西のイントネーションはそう簡単に抜けないよう。「え、なまってる? おかしいなぁ」と、明るい笑顔が弾けます。
「入社した時は、もちろん自分が店長になるなんて思いもしなかった。キャリアを積もう! と意識したこともなかったし」。大学では美術を専攻し、アルバイト経験のあった百貨店で、広告や宣伝の仕事をしたいと入社。「会社に入って初めて、百貨店にはいろいろな仕事があると知った。広告だけじゃなく、売り場、外商、経理…とね。おもしろいなぁって思った。配属は当初の希望通りではなかったけれど、それぞれのセクションで少しずつ目標を立てるようにしていったの。それを自分なりに工夫して楽しみながらコツコツやってきただけ」。
仕事のストレスは仕事でしか解消できない
自身の性格を「喜怒哀楽がはっきりしていて、割と気が長く、あるがままでいいというタイプ」と分析します。「以前、どんな上司がいいかという話をしていたとき、今怒っているのか、喜んでいるのか、分かりやすい人がいいと下の子に言われたのね。そういう意味で、私は分かりやすい上司やと思うわ(笑)」。
誰もが仕事でうれしいことも経験すれば、落ち込むこともあります。落ち込んだときはどう乗り越えてきたのかを尋ねると、「どんな仕事をしていてもへこむことはある。落ち込んだときはじーっとして、何とかしようと無理にジタバタしない。それから、『終わり』を決める。たとえそれが10年後やったとしても、終わりがあると思ったら、長い人生の中で、つらいのはこの数年だけって頑張れるでしょ」。気が長いというのがよく分かるコメントです。
また、「仕事のストレスは仕事でしか解消できない。仕事の失敗も仕事で取り返すしかない」と断言。「ゴルフで仕事のストレス発散をするなんて言っても、本当にそれでストレスが消えるとは思えない」。
プライベートと仕事を分けて考えているということでしょうか。「いや、常に仕事のことは考えてしまうもの。これは、お客さまの日常と密着している百貨店に勤める人間の性(さが)なのかもしれないけど。生活の中のいろいろなシーンに新しいことを生み出していくヒントがあるから。でも、部長職になってから、自宅に仕事そのものは持ち帰らなくなったかな」。
休日は、ゴルフがしたければゴルフへ、温泉に行きたければ温泉へ、家でDVDを見たいと思ったら1日中家にいるとか。「ほらね、あるがままなのよ」。
周囲に気を配りつつ、笑いを交えて話す姿は、小柄ながらも皆を引っ張る大きなパワーを感じさせます。「店長の仕事はどんなことするの?とよく取材で聞かれるけど、そのたびにいろいろなことやってますと答えるの(笑)。店長になって感じるのは、店長はタフやないと務まらないなってこと。私はタフなほうなんやわ」。
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