土曜日の昼下がり。散歩の途中でのぞいた近所のお菓子屋さんは大にぎわいである。キャンデーで飾られた入り口では、パパに連れられた4歳くらいの男の子がほおをばら色にして叫んでいる。「土曜日のお菓子!」。実はこれ、スウェーデンではよく耳にする言葉なのだ。
もともとは1950年代に、甘いものの食べすぎによる子供の歯を心配した政府が普及させた言葉で、当時は「お菓子は土曜日だけ」という意味だったらしい。でも50年以上たった今は、土曜日でなくても子供はお菓子を食べるし、本来の意味は消えてしまったが、言葉だけは今も残っている。大人同士でも「さあ、土曜日のお菓子を買いに行こうか!」なんていう会話をしたりするのだ。
街一番の品ぞろえを誇るこの店内には、チョコレートやキャンデー、キャラメル、マシュマロ…などがあふれるように並んでいる。なかでもスウェーデンらしいのは、バラになっているお菓子のはかり売り。それぞれの容器からシャベルで好きなだけ袋に詰めて買う方式で、お菓子屋さんだけでなくスーパーやコンビニなど、いろいろなところで目にする。1人分200円〜300円も払えば結構楽しめる量になるし、食べたことのない種類をちょっとだけ試してみたり、欲しいものを欲しい分だけ買えるのがうれしい。
その甘さと人工的な色彩があまり健康的じゃないという友人も2、3人いて、確かにそうかなあと思う半面、いざシャベルを片手に店内を歩き始めると、まるでお菓子の花畑(?)に迷い込んだかのようにうきうきしてしまう私。そして、「ちょっとだけ」のはずがいつのまにか紙袋はずっしりとしてきて…。「でも、ま、土曜日だからいいか」と、何がいいのかわからないのだが、とにかくレジに向かっていくのだった。
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