ニュージーランドには、原子力発電所が一カ所も存在しない。それはこの国が「非核宣言国家」として核を徹底的に排除しているからである。
この国の電力はというと、「水力」が全電源の80%を占めており、残りの20%を「風力」「地熱」「火力」で補っている。自然の力に頼った電力は環境には優しいが、供給量を一定に保つことは不可能なので、電気の消費量が増える冬などは基本料金が値上がり、必然的に国民の負担が増える。しかし、このような不便があってもなお、ニュージーランダーたちは原子力発電に頼ろうとはしない。“Nuclear
Free”(非核)を守ることは、彼らにとって揺るぎのない決意であり、誇りなのだ。
もちろん、日本のおよそ4分の3の国土に4百万人の人々が暮らすニュージーランドと、総人口1億2000万人の日本では、電気の需要量が違うのは明らかで、自然のエネルギーだけで事足りるとは到底思えない。とはいえ、日本は今まで、電力を浪費し過ぎていたことは事実だろう。最近では、「クールビズ」や建物のライトダウンが奨励されるなど、電力の浪費が見直されていることからも、それがわかる。
つい先日、2003年に撮影された「衛星から見た真夜中の日本列島」という写真を見た。そこには、真夜中にもかかわらず、不気味に光り輝く日本列島が写し出されていた。一方、ニュージーランドは、大都市のここオークランドでさえ、夜になると、町全体が闇のように暗くなる。これは、街灯の数が少なく、家からもれる明かりがほとんどないためだ。最初のうちは、その暗さに驚いたものだが、実際には生活するのになんら支障はなく、今ではすっかり慣れてしまった。
あの日本列島の写真を思い出すたび、日本も安全で環境に優しい電力を増やすことがきっとできるはず、と思わずにはいられない。
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