海外通信
シルミオーネ〜イタリア〜 2002.3.20up
ローマ人に親しまれてきた湖畔の温泉リゾート
(シティ特派員/内海浩子さん)
 アムステルダムからフィレンツェへと向かう飛行機の窓から、アルプスのふもとに群れをなして広がる湖の景勝を見て感嘆した。この地域は“湖水地方”と呼ばれている。
 
 どれも個性的な湖ばかりだが、その中の一つにガルダ湖がある。イタリア最大の湖で、オリーブやかんきつ類の名産地であるだけでなく、温泉でも名をはせている。この湖南部に、ポコッと突き出した細長い半島がある。ガルダ湖周辺でも群を抜いて有名な観光地、シルミオーネだ。“風呂好き”の古代ローマ人の保養地として、はるか昔から人々を魅了してきた。
 
 このシルミオーネにある、ローマ時代の叙情詩人・カトゥルスの別荘跡は、現在も見学可能。ここから望むガルダ湖のパノラマは絶景だ。そのカトゥルスも堪能したはずの硫黄温泉は今も健在で、イタリア国内はもとより、隣国スイス、ドイツからの温泉客にも親しまれている。主に耳鼻咽喉(いんこう)の病に効用があるらしく湯治客も多い。また、治療を目的とした長期滞在者だけでなく、エステ目当てに訪れる人も増えている。ホテルによってはフェイシャル、マッサージ、フィットネスなどをパッケージにして提供。1週間コースがほとんどだが、中には2泊コースを用意しているホテルも。リゾート地らしく、ホテルにはプールや庭がついている所が多く、ワインを片手に湖に沈む夕日を眺めるのもいい。
 
 また、旧市街の入り口には、13世紀に建ったスカラ家の城が構えているのだが、まるで童話の世界に出てくるお城のようにかわいい。さらに旧市街を抜ければ、半島の先端にあるカトゥルスの別荘跡まで、オリーブの木々に囲まれた散歩道を楽しめる。
 歩くのに疲れたら、道の途中にあるサン・ピエトロ教会でちょっとひと休み。観光客と温泉客であふれかえる旧市街のにぎわいとうって変わり、小鳥のさえずりだけが聞こえる別世界で、私も詩を一筆したためようか、という気分になる。
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