プロ増加、なでしこ環境改善


プロ増加、なでしこ環境改善 でも高額年俸皆無…バイト抱え悲願へ 北京五輪
(2008年 8月 7日 木曜日 産経新聞 東京朝刊 社会面)


 なんとか同点に追いつき、勝ち点1をもぎ取った「なでしこジャパン」。前回のアテネでベスト8に進む健闘をみせたことで、この4年間、選手を取り巻く環境は改善された。それでも、男子のような高額年俸は皆無で、仕事やアルバイトをしながら、悲願のメダルを目指しているメンバーも多い。
 アテネのころと、大きく変わったのは、プロ選手の増加。アテネでは、MF沢穂希1人だったが、沢と同じく日テレ・ベレーザに所属するFW大野忍(24)、MF加藤与恵(30)、浦和レッズレディースのDF柳田美幸(27)、DF安藤梢(26)、DF矢野喬子(24)や、INACレオネッサのMF原歩(29)と一挙7人に増えた。

 「アテネの活躍による女子サッカー人気の高まりが環境改善につながった」とクラブ関係者。プロ契約を結んだ選手は「サッカーだけに専念できるのはすごく大きい」(安藤)と喜ぶ。

 ただ、安定した収入と人気を誇るJリーグの選手と比較すると、アマチュアの選手も多く、“本業”を抱えながら、北京でピッチを駆け巡る。

 0−2の窮地からPKで1点差に詰めたMF宮間あや、GK福元美穂(24)は、岡山県体育協会に籍を置き、所属クラブの岡山湯郷Belleの競技場受付や施設管理をしながらリーグ戦や練習をこなす。GK海堀あゆみ(21)は、飲食店などを経営するスポンサーの会社の広報担当。FW丸山桂里奈(25)は東京電力社員で、福島第一原発で庶務関係の仕事に携わる。

 主将のDF池田浩美、MF阪口夢穂(20)は、田崎真珠(神戸市)でネックレス制作の最終工程を担当。最終ラインを守るDF岩清水梓(21)、得点源のFW永里優季(21)らのように学生選手もいる。

 FW荒川恵理子(28)もプロ契約を結んでいない。アテネ前から近所の西友練馬店でレジを打っていたが、現在も嘱託社員として週3回、同店でレジを担当している。