体調不良 冷え、疲労、ダイエット
体調不良 冷え、疲労、ダイエット…女性に厳しい夏乗り切る
(2008年 7月 31日 木曜日 産経新聞 東京朝刊 生活面)
夏に体調を崩す女性は少なくない。冷房などによる体の冷えや、旅行による疲労、薄着を気にして過激なダイエットをしたり下半身を締め付け過ぎる服を着たり…。その結果、ホルモンバランスを崩し、月経異常や腰痛、更年期症状などの悪化を起こしやすいからだ。食生活の見直しや、かかりつけの婦人科医を見つけるなど、ちょっとした工夫で夏を上手に乗り切りたい。(村島有紀)
◆リラックス
東京都立川市にある婦人科「リボーンレディースクリニック」には、「経血量が多い」「月経周期が不順」といった異常を訴える患者が多く来院する。副院長の島香恵子さんは「経血量が多くて悩んでいる人の中には、下半身を締め付け過ぎて血流が滞っている場合もあります。自宅に帰ったら、ゆったりした服に着替えるなどして、身体をリラックスさせてあげて」とアドバイスする。
2年ほど前から「足長効果が期待できる」として、スキニーと呼ばれる細身のパンツが流行中だ。大手ジーンズメーカーによると、スキニーは10〜20代の女性から火がついて、今や30〜40代の女性や男性まで幅広い層に広がり、ボトムス全体の3〜4割をスキニータイプが占める。夏の間にスタイルを良く見せたり、体重が落ちることを期待して、普段よりワンサイズ下のサイズを選ぶ人がいることも影響しているようだ。
また、「着るだけでボディーラインをきれいに見せ、シェイプアップも期待できる」という機能性下着も、最近は中高年だけでなく10代後半の女性にも支持されている。
しかし、骨盤に囲まれた子宮はもともと血流が悪くなりやすい場所。島さんは「産後、体形を維持しようと、5〜6年にわたりコルセットを着け続け、骨粗鬆(そしょう)症になってしまった女性もいる。機能性下着などに頼り過ぎると筋肉が衰える恐れがあります。正しいウオーキングなどで体を鍛え、自分の筋肉で体形を維持することが大切です」と話す。
◆温食と入浴
「現代の女性は一年中、体が冷えている。夏には、体を冷やすトマトやナスなど夏野菜を食べるより、ショウガ入りの鍋料理など温かいもので体調を整えて」と指摘するのは、『婦人科で始めるキレイのためのホリステイックケア』(九段出版)などの著書がある婦人科医の土居美佐さん。
土居さんによると、体の冷えに加え、ダイエットによる栄養不良、ストレス、喫煙などの影響で卵巣の老化が早まり、30代で閉経を迎える女性もいるという。一般的に、体脂肪率が17%を切ると卵巣機能が落ちるといわれる。薄着になるからといって、ダイエットによる急激な体重ダウンは、体に「生きるか死ぬかの問題」と勘違いさせ、生命の維持に直接かかわらない卵巣の機能を最初に止めかねない。
土居さんは「体を温かくして、ストレスをためず、バランスの良い食事をすることで、閉経期を本来の50代まで延ばせます。食事(量)のバランスを朝4、昼4、夕2に、そして湯船に使って汗を流し、冷えを防止してほしい」と話す。
◆気軽に婦人科へ
夏に多い不眠、シミやニキビなどの肌トラブルも女性ホルモンの影響が考えられる。婦人科を敬遠する女性も少なくないが、「困った」「何かおかしい」と感じたら、ためらわず受診することが大切だ。最近は、皮膚科や心療内科などと連携し対応するクリニックもある。
リボーンレディースクリニックの島さんは「悪くなってから、あわてて病院を探すより、自治体の無料検診なども利用しながら自分にあった医師を日ごろから見つけておくのが大事」と話す。また、土居さんも「海外では、生理が始まったら婦人科のかかりつけ医を持ち、妊娠の仕組みやホルモンバランスなどについて正しい知識を身につけます。性体験をしたら、子宮頸(けい)がんのリスクがあるのだから、たとえ10代でも年に1度の検診を習慣付けてほしい」と話す。
最近では、夏休みを利用して親子で来院するケースもあるという。休みが取りやすいこの季節。婦人科の検診を受ける機会にしてはどうだろうか。
