地域で存在感増すコンビニ
防犯/AED/災害援助 地域で存在感増すコンビニ
(2008年) 7月 29日 火曜日 産経新聞 東京朝刊 生活面)
コンビニエンスストアに、痴漢やストーカーなどの犯罪に巻き込まれそうになった女性が逃げ込んだり、迷子の子供が保護されたりするケースが全国で相次いでいる。救急や防災に力を入れる店舗も現れ、コンビニの新たな存在感が高まっている。
さいたま市内のセブン−イレブンに平成17年6月の深夜、若い女性が駆け込んできた。帰宅途中、路上で痴漢にあったという。店員が警察に通報、女性は無事に帰宅した。
社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)によると、女性がコンビニに逃げ込むケースは19年度だけで1万3000件以上。うち半数近くが午後11時以降だった。19年度はこのほか、迷子になるなどした子供の保護が約6000件、徘徊(はいかい)などの高齢者保護も約1万2000件に上る。
加盟12社の店舗は全国で計約4万2000店。警察庁によると、全国の交番・駐在所は約1万3000カ所で、最近5年間で約1000カ所減った。JFAの担当者は「深夜は交番や街灯の代わりになっている」と存在意義に胸を張る。
地域活動の一環として自動体外式除細動器(AED)を常設するコンビニも。東京都杉並区のファミリーマートなど2店は18年から設置。同区は応急処置ができるボランティア団体などを「まちかど救急隊」として組織しAEDを貸与しており、24時間対応可能な場所にコンビニが選ばれた。
設置店は全国でほかにも数店あり、NPO法人「AED普及協会」(埼玉県熊谷市)は「普及途上だが、住民がいつでも利用できるコンビニは最適」と設置店の増加を期待する。
物流網を生かし、大規模災害時に物資を支援するケースも増えている。ローソンはこれまでに37の道府県と緊急時に物資を供給する協定を結んだ。
地球温暖化対策の一環としてコンビニの深夜営業をめぐり自治体が自粛要請を検討する動きが広まっているが、JFAは「コンビニは社会のインフラとして定着しており、24時間営業だからそこ可能な地域貢献もあることを理解してほしい」と訴えている。
