乱れか進化か日本語変容


「議論が煮詰まる」は結論出せる?出せない? 乱れか進化か日本語変容
(2008年 7月 25日 金曜日 産経新聞 東京朝刊 社会面)


 「足をすくわれる」の誤った使い方「足元をすくわれる」を正しい表現と思っている人が74・1%に上ることが24日、文化庁が発表した平成19年度の「国語に関する世論調査」で分かった。言葉遣いについては全体の約8割が「今の国語は乱れている」と答える一方で、「言葉は時代によって変わるから」として、乱れを否定した“達観派”も6%を超え、増加傾向にある。
 調査は今年3月、全国の16歳以上の男女3445人を対象に、個別に面接して1975人(57・3%)から回答を得た。

 言葉本来の意味とは違う使用例では、「議論で計画が『煮詰まった』」の解釈が世代によって分かれ、50、60代は本来の「議論が出尽くし結論を出せる状態になった」、40代以下は逆に「議論が行き詰まって結論が出せない状態になった」意味とする人が多かった。

 文化庁国語課は「あと10年たてば、言葉の意味が本来と変わってしまうかもしれない」としている。

 国語を乱れていると回答した人のうち、「敬語の使い方」を挙げたのは67・1%で男女ともトップ。2位は男性が「あいさつ言葉」、女性は「若者言葉」を挙げた。

 逆に、「乱れていない」と回答した人は16・2%。このうち、39・1%(全体の6・3%)が「言葉は時代によって変わるから」と回答。同じ設問があった14年度調査では全体の5・1%で、当時トップだった「多少の乱れはあっても根本的には変わっていない」を抜いた。

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 ■認知外来語「ストレス」1位

 外来語の認知度は「ストレス」がトップ−。国語に関する世論調査で、こんな結果も明らかになった。

 調査の対象は官公庁の白書などでよく使われる60語で、ストレスは認知度、理解度、使用度で“3冠王”。120語を対象に同じ調査を実施した14年度もトップとなっており、文化庁は「社会状況が色濃く反映されているのでは」(国語課)としている。

 ほかには「インターネット」「リサイクル」が上位に入り、「ガバナンス」「バックオフィス」などは最下位グループに入った。

 「もし外国人から話しかけられたら」の問いに、「主に日本語で応じる」と答えたのは51・8%。13年度調査より8・2ポイント増え、逆に「主に英語で応じる」は半減して3・9%に。同課は「外国人が身近に増え、日本に住むなら日本語を話してほしいという考えが基本にあるのでは」とみる。

 自分自身の国語力の課題として、16〜19歳「漢字や仮名遣いなどの文字や表記の知識」▽20代「説明したり発表したりする能力」▽30代は「敬語などの知識」▽40代は「考えをまとめ文章を構成する能力」−と、年代ごとにトップがきれいにわかれた。社会的立場が反映されているようだ。