落書き、日本人の謝罪に「敬服」 

落書き、日本人の謝罪に「敬服」 伊大聖堂修繕責任者
(2008年 7月 3日 木曜日 産経新聞 東京朝刊 社会面)

 【フィレンツェ=共同】イタリア・フィレンツェの世界遺産地区にある「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の壁に日本人の落書きが見つかった問題で、大聖堂の修繕責任者、パオロ・ビアンキーニ氏(49)はインタビューで、「落書きは許されないことだが、日本人が深い謝罪の意思を示したことに驚いた。敬服する」と述べた。
 落書きは日本語より英語やイタリア語によるものがはるかに多く、欧米では「文化財への落書きは当たり前のように見られている」だけに、同氏は「(謝罪を通じ示された)日本人の良識」に尊敬の念を抱いたという。
 一方、1日付のイタリア紙レプブリカは特集記事で、常磐大高校(水戸市)の野球部監督が解任されたことに触れ、「休みの日でも、地球の反対側にいても(落書きは)許されない」「(高校職員の)職も失いかねない。(日本では)間違いを犯した人間に対し哀れみはない」などと伝えた。
 大聖堂のビアンキーニ氏の元には、落書きをした岐阜市立女子短大(岐阜市)の学生の謝罪文が届いたほか、多くの日本人が「日本人として恥ずかしく思う」と電子メールで伝えてきたという。
 同氏は、「歴史的建造物に自分の名前を残したいとの思いは昔からあり、日本人の落書きもこうした願望から生じたのでは」と指摘。また、京都産業大(京都市)が落書きをした学生に大聖堂で消去作業をさせる意向を示しているとの報道について「消去には特殊な技術が必要で、認められない」と断言した。