シティウェーブ東京版 女性・OL向けのお得な情報サイト 全国TOPへ

ヘルプ サイトマップ 配布申し込み

好評です「女性専用病棟」 

好評です「女性専用病棟」 病院の都合より「患者の視点」重視
(2007年 8月 22日 水曜日 産経新聞 東京朝刊 生活面)

 男性患者の目を気にせず治療を受けられる「女性専用病棟」のニーズが高まっている。従来の外科、内科といった診療科の枠を超え、国立病院機構霞ケ浦医療センターが6月に開設した女性専用病棟も入院患者に好評だ。病院の都合から「患者の視点」を重視した、全国でも珍しい試みに注目が集まっている。(中曽根聖子)
 「裸になって診察を受ける医療の現場は男女で分かれていなければならないのに、まるで混浴のような状況で行われているのはおかしい」
 6月25日に茨城県で初の女性病棟開設に踏み切った同センターの西田正人院長はこう説明する。平成15年に女性外来を開設したこともあって、センターの入院患者の3分の2が女性だ。しかし、これまでは診療科別の男女混合病棟のため、病室は男女別でも、廊下から寝室である病室がまる見えという問題があった。
 「男性の目を意識して昼間でもベッドの周囲のカーテンを閉め切っている女性が多かった」と語る西田院長は、女性のプライバシーを守ろうと女性だけの病棟設置を計画し、検討委員会を発足。今年4月に入院患者と外来の受診患者を対象にアンケートを実施したところ、「女性病棟があれば入院したい」「目的や疾患によっては女性病棟の方がいい」と答えた人が9割に上ったことから実施を決めた。

 ≪当初は反対意見も≫

 ただ、看護師からは「男女別にする必要はない」など反対意見が相次いだ。各自が高度な専門知識、技術をもつ看護師だけに、専門以外の患者を担当することに不安を覚えたのだという。
 センターでは、大きな手術の前後、急性心筋梗塞(こうそく)や呼吸不全といった集中管理を要する患者を女性病棟の対象外とすることなどを決め、ようやく実現にこぎつけた。
 新設した病棟は6階建ての西病棟2階フロア(51床)を使用、男性が入れるは面会時間と手術日、退院日など特別な場合に限られる。
 女性医療を重視する岐阜県総合医療センター(岐阜市)でも昨年11月から本館8階に専用病棟(40床)を設置し、産婦人科のほか、外科、消化器科の患者らが入院。平成15年にレディース病棟(45床)を開設した国立病院機構熊本医療センター(熊本市)では産婦人科以外の患者が半数を占める。いずれも、術後のやつれた姿を見られたくないといったニーズが高く、「安心して治療に専念できる」「朝晩の洗面時に男性と顔を合わせなくて済む」などと好評だ。

 ≪封殺されていた声≫

 しかし、女性専用病棟を設ける病院は全国的には少数派。厚生労働省でも「一定数の病床をもつ病院で、産科や乳腺外科以外の女性病棟は珍しいのでは」(医政局)と言う。これだけのニーズがあるのになぜか。
 「健康な時でさえパジャマ姿で男性に会いたくはないはず。それなのに同じ臓器や疾患ごとに患者を集めるのは管理しやすいよう病院側の都合が優先されてきたから」
 全国に先駆けて平成11年に女性病棟を開設した岡山中央病院(岡山市)の金重恵美子副院長はこう説明する。
 西田院長も「男女混合という病院のあり方に女性は違和感を覚えているはず。ただ、一日も早く病気を治したいと治療を優先させるため、切実な声が封殺されていた」とみている。
 実際、女性病棟を退院した10〜70代の19人全員が再入院の際は同じ病棟を希望しており、西田院長は「女性のニーズが高いことを医療現場は知るべきだ」と話している。