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思い出贈ろう 挑戦後押し、「体験型ギフト」拡大中 (2007年 6月 13日 水曜日 産経新聞 東京朝刊 生活面)

 中元、歳暮など儀礼的な贈答が減り、大切な人に絞ったギフトが多くなっている。そんななか、“モノ”でなく“体験”をプレゼントする「体験型ギフト」が増加中だ。カタログを買って贈り、掲載メニューからスポーツ、旅行など好きなものを選んで楽しんでもらうという。6月17日は「父の日」。贈り物の候補の一つに加えてみてはどうだろう。(山口暢彦)

 ■カタログから

 民間シンクタンク「日本総合研究所」ビジネス戦略デザインクラスター長、橋本徳生さんは昨年4月、50歳の誕生日に職場の後輩たちから体験型のギフトカタログをプレゼントされた。
 ページをめくると、東京遊覧バスや水族館体験、楽器のレッスン、陶芸、茶道のけいこなどを体験できるコースが12種類載っている。橋本さんはその中から「ボルダリング」を選んだ。壁の出っ張りに手足をかけ、よじ上るスポーツだ。
 平日昼、カタログに指定された東京都文京区の施設に出かけた橋本さん。カタログに付いていた金券を出すと、入会金525円(会員の有効期間5年)と、1日利用料金2100円が無料になった。そして専用シューズを借り、一通りインストラクターの説明を受けた後は、自分のペースで汗を流した。
 「『落ちたらケガをするかも』という緊張感があって楽しい」と感じた橋本さんは、その後も何回か出かけ、利用料金を払って楽しんだという。
 「体験型ギフトの良さは『驚きと発見』。普通に生活していれば知る機会がないメニューもカタログに載っている。未知の体験にチャレンジするいい動機付けになります」と語った。

 ■大切な人に感謝

 現在の日本のギフト市場は17兆円に上るとされる。その中でも、より大切な人に感謝の意を示す「メモリアルギフト」「パーソナルギフト」が増えているという。同時に多くなっているのが、もらう側が複数の商品メニューから好きなものを選べる「ギフトカタログ」のプレゼントだ。
 「ギフトカタログ市場は2年前、3000億円といわれていたが、新規参入などで今は4000億〜5000億円にまで成長しているのでは」と橋本さん。
 中でも拡大が目立つのが「体験型ギフト」のカタログだ。基本的には、カタログ業者が旅行会社やスポーツ施設などと提携し、もらう側は同封のはがきで予約したり金券を持参したりして、好きなメニューを1回だけ体験できる仕組み。
 メニューは、贈る側がカタログを購入した代金に見合って、グレードが上がったり下がったりする。

 ■アイデア合戦

 「今はモノ余りの時代。モノより『思い出』が重視されるようになってきたのでは」と分析するのは、平成15年、日本に体験型カタログを初めて導入したギフコム(東京)経営企画室長の坂井伸一郎さん。
 同社のカタログで扱う体験型ギフトは、価格も種類も豊富だ。高いものでは、カタログ代金10万5630円相当で、老舗旅館での宿泊や高級料理店での食事が可能。
 「山梨・勝沼でのワインのボトル詰め」「静岡県森町での草木染」などのユニークなものは、3000円相当で体験できるようになっている。
 ユニーク体験ギフトはアイデア競争の様相も呈し始めた。例えば、ソウ・エクスペリエンス(東京)はキックボクシングやカヌーなどを、カルクリエーション(大阪)はサバイバルゲームや舞妓(まいこ)体験などを用意している。
 今年4月には、『東京ウォーカー』などの情報誌を出している角川クロスメディア(東京)が、ギフトカタログ『ギフトウォーカー』を創刊した。体験型ギフトがメーンで、「売れ行きは予想の2倍」と同社。市場の拡大はまだまだ続きそうだ。