●森優子プロフィール
2005.11/24 更新
森優子の楽しむ旅行術バックナンバー
アジアン屋台でのお食事マナー(2) カレーを素手で食べる
指先にも味覚神経がある?

南インド・フィリピンなどの「ごはん文化圏」では、フォークやスプーンを使わず、素手で料理を食べるのが習慣の地域があります。

さすがに最近の都市部や若い層では減少傾向で、それゆえ外国人の私が手で食べていると驚かれることも多かったりするのですが、反応はおおかた好意的。はっきりいってウケます。というわけで、素手で食べる習慣がある地域ではぜひトライすることをすすめます。

*
しかし、おすすめの最大の理由はなんといっても
「素手で食べたほうが断然おいしいから」。

特にカレー+ごはんは熱とスパイスの風味が指先から伝わってくるようで、本当においしい。その味をしめると、スプーンを使ったときに拍子抜けするというか、おいしさが半減するような気がするから不思議です。

きっと指先にも味覚神経があるに違いない

カレー+ごはんの場合
  • 注文したら、手を洗う

    *インドや、シンガポール・マレーシア・フィジーといったインド系食文化が根づいている地域のインド・レストランには、食事前に手を洗う場所がトイレとは別に作られていることが多いです。

    指と指の間から爪の中まで、しっかり洗いましょう。たっぷりの流水(水道水)で洗い流すのが除菌・滅菌には効果的。私は念のため、蛇口の栓は左手でひねります。

  • *指先・内側だけを使うイメージで料理を混ぜる

    右手を図のような形にして、ひと口ぶんずつカレーとごはんを混ぜてすくい、口に運ぶ。

    これが初心者にとってはけっこう難しい。手も口のまわりもギトギトになるわ、ボロボロとこぼれ落ちるわで、「味わうどころじゃない」という感じになるかもしれません。

    やはり、これにもコツがあるのです
    素手で食べるときのコツ
    * 「手を小さなスコップにする」というイメージ。つまり指同士がキュッとすきまなくくっついて、ほどよく内側がくぼんだ状態。
    * 料理に触れるのは指先だけ(第二関節まで)。
    * 料理に触れるのは指の腹側(内側)だけ。
    こういうイメージを持ってのぞんでも最初は指中カレーまみれになるものですが 、数回で慣れるはず。

     

  • 口に運ぶときはひじをちょっと上げる

    口に入れるとき、ひじを少し上げると自動的に指が口に対してやや垂直に向く、つまり指の横腹ではなく指先が口に向く角度になります。

    で、指先と料理をくわえ込むのではなく、親指で料理をチョイチョイと口のほうへ押すイメージで動かすとけっこううまくいく。

    *
*
  • 素手で食べるときのタブー
    * カレーとごはんは食べる前に全体を混ぜきらない。ひと口ぶんずつ混ぜて、食べて、混ぜて、食べて。
    * 必ず右手を使う。左手はトイレットペーパーがわりの不浄の手。「食事の時は左手はまったく使わない、お皿にもふれない、右手だけががんばって働く」というイメージを持っておくと失敗も失態もなし。
    食べ終わったら手をきよめる

    カレーはさらっとしたものが多いので、紙ナプキンで拭くだけでもおおかたはとれます。

    その後は洗い場で洗うのがふつうですが、食べ終わったお皿の上で、コップの飲み水をかけて洗う人も少なくありません。
ナン+カレーも片手で食べる

*ナンやチャパティをちぎるときも、基本的には左手を使わないように気をつけます。本場の人たちは小指のわき腹でナンをおさえつけ、親指と人さし指でちぎって片手で食べているので、それを真似しましょう。

日本のインド・レストランで観察していると、ほとんどの日本人が左手でナンを持ち、右手でちぎってカレーにつけて食べています。日本ではまあそれでいいとしても、旅行前には現地風にフォーム改善するのが吉。

素手で食べると、トクすることも多いのだ

日本の寿司屋や蕎麦屋で慣れぬ手つきで箸を使っている外国人旅行者を見たら「がんばれー」と応援したくなる。困っていたら「この指はこっち」と直してあげたくなる。上手だろうが下手だろうが、それがコミュニケーションのとっかかりになったり、空気が和んだり。

こういった作用や反応が得られるのは、間違いなく外国人旅行者ならではの特権でしょう。「ほお」と感心されたり、笑いを取ったり、お菓子や飲み物をサービスしてもらえたりと、私自身、そのプラス効果を痛感しております。

ただし中には「ヘンな日本人」という目で見る現地人(インテリ風や若者層)もいるし、明らかに浮いてしまうような場面もあるので、TPOによってコウモリの如く使い分けるとよいでしょう。

ページtopへ戻る▲