●森優子プロフィール
2005.10/26 更新
森優子の楽しむ旅行術バックナンバー
スパイ報告・旅レシピ(4)ベジカレー&香りライス(南インド)
市販品でちょっとズルする「本格派ベジカレー」の作り方
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「かつて自力でスパイスをブレンドして本格的なインドカレーを作ってみたことがある。が、それっきり作ってない」

↑こんな人は少なくないはず。

作るのに手間ヒマかかるわりにはあっさり食べ終わってしまう、スパイスを買い揃えると意外とお金がかかる(そのわりには鮮度の寿命が短い)……といったことなどがその要因でしょう。私自身がそうなので、わかるのです。結論。本格派のカレーはインド料理屋で食べるのが合理的。

しかし困ったことに、私がときどき無性に食べたくなる「南インドのベジタリアン・カレー」は、近所のインド料理屋のメニューにありません(日本には北インド・ナン文化圏の料理を扱う店が多い)。

そこで禁断症状の末に私が編みだした「自宅でラクラクと味わえる南インドカレー」の作り方を、今回は発表したいと思うわけです。その方法とは……

S&Bの「ケララ・カレー」を作って食べる。

そう、普通のスーパーでも手に入る超メジャー企業による市販品です。「わざわざ発表するほどのことかよ!」と怒らずに、まあ聞いて下さい。

南インド風味アップの決め手はカリフラワーとマスタード・シード

S&Bの「ケララ・カレー」は、南インドのケララ州をカレーをイメージしたスパイス・キット。一回分の香辛料が必要量セットされているので、使い切れて無駄がありません。
説明書のとおり作っただけでも充分おいしいのですが、「ますます本物の南インドだあー」という味わいをもたらすプラスαをご紹介しようと思うわけです。

*カリフラワーを使う
          
説明書では鶏肉を使うことになっていますが、私はこれをカリフラワーとヒヨコ豆(水煮缶詰)にかえてベジタリアン・カレーにします。
これはたんに、私の好みで。いずれの料理でも、南インドではカリフラワーが多用されるのです。

白ご飯にひとひねり
 マスタード・シードの香りをプラス

南インドの味の特徴として、マスタード・シードの香りがあげられます。これをごはんに混ぜこめば、ますます南インドらしく。
ふつうの白ごはん・インディカ米の白飯でもおいしいのですが、ライスにひとひねり加わると一気に「エスニックなごちそう!」という風情がアップするので、パーティー・メニューにもおすすめ。

香りライスの作り方 炊きこまずに混ぜるだけ

マスタード・シードを加えたごはんは、南インド(タミルナードゥ州)ではライム・ライスとかレモン・ライスと呼ばれます(タミル語ではELAMCHA SATHAM)。炊き込まずに、混ぜるだけ。

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おもな材料(四人分)
(インディカ米がなければ日本の米でOK)
小さ目のタマネギ1個
ギー(インド料理用の油。バターでも代用可)
レモンの絞り汁 大さじ1(とにかく、すだちやライムなどの柑橘類ならOK。ポッカレモンなどでも)
マスタード・シード 小さじ1(エスニック食材屋にあったりなかったり。筆者は無印良品のスパイス・コーナーで発見し、愛用)

白ごはんを炊く

炊飯器で炊きます。塩をひとつまみ入れて炊くと甘味がきわだってよりうまい。

*まぜものを作る

タマネギは薄い串切りに。
フライパンでギー(またはバター)を熱し、タマネギがしんなりするまで中火で炒め、「茶色っぽくなってきたな」と思ったらマスタード・シードを投入。
マスタード・シードに熱がなじんでパツパツはねはじめたら火を止める。
レモン汁をまぜる。

白ごはんにまぜまぜしてできあがり

「さ、ぼちぼち食べましょうか」という頃に白ごはんとをさっくりと混ぜ合わせる。カレーとともにテーブルへ。
スプーンではなく素手で食べるといっそう美味(手にも味覚神経があるのかと思うほどのおいしさ。ぜひおためしを)。

南インド ベジ一家の食卓の思い出

カレー、香りライス、これにブルガリア・ヨーグルトや森永ビヒダスのようなプレーンヨーグルトを添えればさらによし。ヨーグルトには砂糖を加えず、カレーとごはんにまぜこんで食べるのが正しい。S&B以外にも便利なカレースパイスはたくさん発売されているので、邪道といわず活用してみましょう。

私にとっての「南インドの味」の印象の基盤になっているのは、チェンナイ(タミルナードゥ州)のバス停で知り合ったチェラさんという女性の手料理です。滞在中に何度となく家庭料理をごちそうになったのですが、その一家がベジタリアンだったため、私にとって南インド=ベジ・ミールってことになっているわけですね。彼女の料理はとにかくおいしくてバリエーションも豊富で、「あれ、そういえば肉や魚がひとつも使われてなかったんだなあ」とあとで思い返さない限りベジ・ミールだと意識することがなかったほどでした。こんなにおいしいなら、ベジだのノンベジだの、あまり関係ないなあと感心したものです。

なお、チェラさんの台所は欧米風のシステム・キッチンでしたが、香辛料や豆をすりつぶすグラインダー・ミキサー・炊飯器など、電化製品はすべて「南インドのおふくろの味」を作るためのものでした。

蛇足の話。
その数年後、チェラさんのだんなさんが仕事で日本にきて、再会したときのこと。私が「チェラさんの料理が懐かしいです」と言うと、彼がこんなことをこぼしたのでした。
「それはよかったデス。でもね、モリサン。私は今回日本に来て、じつはさつま揚げを食べてしまったのですヨ。仕事関係の人と食事した時、うっかり口にしちゃったんです。でもね、えへへ、それがとてもオイシカッタ。チェラには内緒です。あの、その、彼女は食べ物についてはちょっと厳しすぎることもありましてネ、モゴモゴ……」
チェラさんは日本語が読めないから、ここに書いても大丈夫だよねえ。

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