旅先であろうとご近所であろうと、好奇心のアンテナが反応すればどこだって探検のフィールド。
サバンナを駆けるキリンからヘビ使いのコブラ、サラダの唐辛子に至るまで、100の動植物についての自らのエピソードと「へえ」な学術的トピックを盛り込んだ「旅の虫眼鏡」の著者・イトヒロ氏にお話を聞きました。 |
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虫のイトヒロは虫マニアじゃなかった? |
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読者の方のために解説しておきますと、イトヒロさんはこんなにかわゆ〜い絵を描いてはおられるが、実はかなりオジサンです。というか、もはや「おじいさん」の域に達していると言っても過言ではありませんね、年齢から言うと。 |
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なんとでも言って下さい。 |
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いやその。お若く見えますね、ということと、これからイトヒロさんの半生をうかがうにあたって読者の方には時代背景をちゃんと把握してもらわねばと思いまして。 |
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はいはい。 |
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私にとっては『イトヒロ=虫』という印象が強いのですが、やはり子供の頃は手塚治虫とかファーブルみたいな昆虫少年だったんでしょうか? |
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いや。よく『虫少年だったんでしょ』って言われるけど、実は特に虫マニアとか虫博士って呼ばれるほどじゃなかったんだよね。 |
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え、意外。 |
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そもそも育ったのが、町の中だったから。 |
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ご出身は宮城県の築舘町。自然が少ない場所とは思えませんが。 |
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もちろん自転車でちょっと走ればくぬぎ林とか川とか山とかあるんだけど、俺が住んでたのはそのあたりでは比較的住宅が多い町の中だったの。山のほうから学校へ通ってくる連中はクワガタなんかを捕まえて学校に連れてくるんだけど、俺にとっては「すげえ!」ってものでも、やつらにとっては「まわりに当たり前にいる虫」だった。虫捕りの穴場なんかも、よく知ってて。 |
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知識も経験値も段違いってわけですね。 |
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そうなんだよ。
でもそのうち小学生なりにも行動半径が広がって、仲のいい友だちと自転車で山のほうまで足を伸ばすようになっていったんだよね。
あれは忘れもしない小学校五年の時。朝四時、町外れの広場。そのとき初めて、本当に目の前にいたもんなあ、クワガタが。感激したなあ。 |
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なるほど。その経験が小五とは、奥手なほうですね。 |
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うん。その頃からはいろいろやってみたよ。夏にラジオ体操の会場に早めに行って、街灯の脇のプラタナスの木に体当たりすると、クワガタやらなんやらがバラバラと落ちてきたり。
夕方に山へ行ったら地面の穴からうじゃうじゃとセミの幼虫が出てくるんだけど、これを獲ってきて部屋のカーテンにぶらさげておくと夜中に羽化するのね。そういうのを見てワクワクしてた。 |
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なんや。やっぱり立派な昆虫少年じゃないですか。 |
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いやいや。そんなの、当時はごく普通の子供の遊びだったんだよ。
うちの近所にはまだ鉄道が通ってなかったんだけど、もし通ってたら列車マニアになってたかもしれない。恐竜が流行ってたら恐竜好きになってたかもしれない。
虫好きだから虫を獲るっていうんじゃなくて、面白い遊びを求めたらたまたま虫だったって感じで。つまりそれが普通の子供の楽しみだったんだよね。 |
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なるほど。とはいえ、やはり虫に強烈に惹かれる部分があったこそ現在の『虫のイトヒロ』があるにちがいないと思うのですが。 |
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マニアだったらきっと、何科の何目とか分布といった知識やコレクションに興味が向かってたかもしれないけど、自分の場合は「昆虫のシンプルな構造が好き」だったんだよ。「足が6本あってロボットみたいでかっこいいな」みたいな、要するに昆虫の機能美に憧れてたんだよな。 |
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| 直筆サイン色紙プレゼント |
| 『旅の虫眼鏡』の著者でイラストレーターのイトヒロ(伊藤博幸)さんの直筆サイン色紙を一名様にプレゼント! |
| 応募は終了しました |
| 締め切りは4月20日(水)。 |
| 当選者を4月27日更新の当コーナーで発表ののち発送します。 |
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ゲスト
=イトヒロ氏 |
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聞き手
=森優子 |
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↑虫捕りに目覚めた頃のイトヒロ(右)・仲間のシュンヤ(中)・トシオ(左)少年。
「ザリガニ獲りとか魚釣りとか、いつも一緒につるんでた。シュンヤとはその後の浪人時代にも、マージャン・パチンコ・競馬でつるんだ(笑)」。
シュンヤ氏とは現在も大の仲よしで、「旅の虫眼鏡」に「アラブ首長国連邦に駐在中の友人」として登場している。 |
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