●森優子プロフィール 森優子の楽しむ旅行術バックナンバー
2004. 6.2up
スーツケースの選び方(1) 普通の形 vs ピギー
● 基本3タイプの違いを把握すべし
 旅の必需品スーツケース。いざ買うとなると迷いますね。
 今回は一般的な海外旅行で使われるスーツケース(容量約60〜110リットル前後)を選ぶさいの参考情報をば。
 現在店頭に出回っているものはざっと分けると形が三タイプあります。
 売り場は床がツルツルでキャスターのすべりがよく、また中身が空っぽで軽いゆえ、その場で転がしただけでは違いや欠点がいまいちわかりにくいもの。
 各タイプそれぞれのメリットとデメリットを把握しておきましょう。
(1)オーソドックスな四輪式
 いわゆる、昔からある定番タイプ。360度くるくるまわるキャスターが底に四つついている。
メリット
キャスターがタテ・ヨコ・ななめ360度全方向にスムーズに回転するので、こまわりがきく。列車内の狭い通路などで威力を発揮。
収納室内の構造がシンプルで、物を収納しやすい(キャスターが外づけだから)。
デメリット
外づけ型キャスターは埋め込み型((2)ピギータイプ参照)に比べると、でっぱってるぶん衝撃を受けて故障しやすい。
石畳など凸凹の多い路面では転がすのが難儀。
キャスターにストッパーがついていないため、傾斜した場所や電車の中など思いがけないところでスーッと勝手に動く(中身が重ければそう簡単に転がらないけど)
(2)二輪式ピギータイプ
 ピギーとは伸縮式ハンドルがついた、ななめにかたむけて転がすタイプの総称。コブタちゃんを連れ歩いているように見えるからピギーという愛称がついたとか。
 もともとは機内持ち込みできる大きさ(縦・横・高さの合計115センチ以内。およそ30〜40リットル前後)の「スチュワーデスバッグ」ともいわれるものが主流だったけど、今回は最近急増した60〜90リットルクラスの大型を分析。
 二輪式はキャスターがボディに半分埋まった形状の「埋め込み型」が多く、(1)や(3)よりも大きな車輪が使われているのが特徴。
メリット
段差に強い。石畳など凸凹の多い路面でもなんとか進める。ハンドルと大型キャスターのたまもの。
埋め込み型キャスターは外部からの衝撃に比較的強い。
紙袋などをハンドルに引っかけられる。
デメリット
こまわりがきかない。二輪式に多い埋め込み型キャスターは前後にしか動かないため、列車内通路など道幅の狭いところでは手で持ち上げて運ぶしかない。機内持ち込みできる程度のサイズならまだしも、容量が大きいものは重くてとりまわしにくい(その不便を克服するために横腹にハンドルをつけたものもある)。
キャスターとハンドルが収納室内の形に影響する。つまりフラットではないため、服や靴を入れる際に邪魔に感じることが多い。たとえば「あれ〜思ったより収納できる量が少ないなあ」とか「洋服がしわになっちゃう」とか「でっぱりのせいで靴の箱がうまくおさまらない」とか「生理的にいや」といったストレスが生じやすい。
ひっぱるとき重さがハンドルを持つ手にもずっしりかかる。
空の状態でも、ハンドルのぶん重い。
(3)四輪式ピギータイプ (1)と(2)の合体型とも言える、最近ふえたタイプ。
 オーソドックスなスーツケースのこまわりのよさ、ピギーの「凸凹道でも使いやすい」というメリット、両方とも兼ね備えている。
 ただし両方のデメリットもそれなりに継承。
メリット
ハンドルでひっぱってゴロゴロ・立てたままゴロゴロが、臨機応変に使い分けられる。
キャスターが外づけなので、立てたときの収納室内の底面はフラット。
背の高い人は普通のスーツケース((1))だと取っ手位置が低すぎることがあるが、これは水平移動(立てたまま運ぶ)の際にもハンドルを伸ばして位置高めの取っ手として使える。
デメリット
ハンドルが収納室内に凸凹をもたらす。重量にも影響。
(2)の元祖二輪ピギーよりもキャスターが小さいため、傾けてハンドルでひっぱるときにちょっとたよりなかったり、地面にボディがこすれやすかったり(最近はこの欠点を克服した大型四輪キャスターの商品もあり)
外づけキャスターは(2)の埋め込み型よりも衝撃には弱い
●スーツケース選びの盲点は、ずばり「重さ」だ!
 以上を読むと(3)の四輪式ピギーがいちばん妥当か、という気がしてきます。
 また、これまで機内持ち込み可サイズのピギーを国内外で使ったことのある人は「ピギーってすごく便利なんだよね。今度は大きいスーツケースもハンドルつきのピギータイプにしよう」と思うかもしれません。
 が、決定するのはちょっと待った。売り場では次のようなことをついうっかり忘れてしまいがちだからです。
「スーツケースは大きくなればなるほど容量が大きくなる」
「たくさん荷物が入る」
「総重量が重くなる」
 ピギーはハンドルを持つ手にも荷物の重さがぐぐっとかかります。機内持ち込みサイズならまだしもスーツケース級のものになると中身は20キロを越える場合も。20キロとは、たとえばうちにある百科事典に換算すると14冊分です。地面と手に重量が分散されるとしても、はっきりいってつらい。
 ちなみに、ぎっしぎしに重いものをつめこんだ場合、私(37歳・女・身長157センチ体重57キロ・わりと力持ち)がストレスを感じずにスタスタ持ち歩けるのは、いわゆる機内持ちこみ可サイズのピギーでぎりぎり。
結論
かたむけた状態でないと転がせない二輪ピギー(上記(2))でサイズの大きめのものは、腕力に自信がない女性は避けたほうがベター。
大きめの四輪ピギー(上記(3))に「でこぼこ道でもずんずん進めるオールマイティー」という幻想を抱くべからず。「ふだんはふつうに立てて転がすが、いざというときはピギースタイルにもちかえて難関をクリアーできる」という程度に考えておいたほうがいい。ピギーハンドルはあくまでも補助装備。
 ハンドルがつくことで得られる利便性と、逆にハンドルがつくがために生じるマイナス面(シンプルなスーツケースよりも値段が高い・収納室内に凸凹がある・総重量が重い)、これらを天秤にかけて納得してからご決断を。
 次回はスーツケースのサイズと色選びのコツをお送りします。
 
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