●森優子プロフィール 森優子の楽しむ旅行術バックナンバー
2003.5.21 up
旅先の雨対策
●カッパより傘がおすすめ、その理由
 ガイドブックの『持ち物チェックリスト』の雨具の欄に『傘』と書かれていることはあまりありません。
 たいていは
・パーカーつきウィンドブレーカーは雨・防寒にも役立って一石二鳥
・45リットルの家庭用ゴミ袋はいざというときカッパがわりになる
といった感じのことが書かれています。
 「かさばる、両手がふさがる、汎用性が低い」といった印象が強い傘は、荷物を減らすためにまっさきに削除の対象になりがちです。
 しかし個人的には、いかなる天候・いかなる季節の国に行くにせよ、特に女性には折りたたみ傘を一本携帯することをすすめます。
 「今まで旅行に傘を持っていったことないけど、不便なんか感じたことないよ」という声も聞こえてきそうですね。
 たしかに傘なんてなくてもどうにかなります。が、あればあったで重宝する場面は意外と多かったりするんです。
日傘になる
 どんなにつばの広い帽子でも、首筋や腕の日焼けはカバーしきれないけど、傘ならば。
外国の雨はとつぜん、ドバーッとくる
 もちろん国によりますが、たとえばハワイやタイなど南国ではからっと晴れた青空が一転して強烈なスコールが降ったり、ヨーロッパでも『一日中晴れているのは9月だけ』というような不安定な気候の地域も多い。観光コースに天候の変りやすい山や丘が入っていることも多いですしね。
風よけになる
 エジプトのピラミッド見学など、おおよそ雨など降るわけない場所でも、日よけとしてはもちろん、風で舞い上がる砂を防御することができます。フィルム交換する際はことさら便利です。
 デジカメなら関係ないかと思いきや、マイコン制御の精密機器はデリケートで塵に弱いので(モリは二回苦い経験あり)、たとえば『すごい風だけどなにがなんでもスフィンクの前で記念撮影するぞ』というようなときカバンから出しても、傘で風の直撃はまぬがれます。
 高温・乾燥した環境では、風から顔を守れば肌へのダメージも軽減することができます。
 ビーチでチキンバーベキューやアイスクリームを買い食いするときも、傘で風をガードすれば口の中でジャリッという不愉快が起ることなく、優雅にゆっくり味わうことができます。
 あれこれ深く考えるより、とにかくカバンに一本、いかがですか。
●傘はフットワークを軽くする
 傘は手がふさがるからいやだという人は多いでしょう。カッパなら両手をフリーにしておける。自然な発想です。
 しかし、たとえばショッピングの最中に雨に降られた場合…
◇濡れたカッパで店に入ると迷惑 → 着脱・収納がいちいちめんどう
◇カッパ姿はエレガントでない
◇手に持った紙袋が濡れる
◇カッパを着込んでしまうとショルダーバッグやウェストポーチから物を取り出しにくい
…といった点がネックになります。
 またカッパはパラパラ雨程度だとなかなか着用する気がおこらないものです。体力勝負の旅行中に、このパラパラ雨に濡れたことが原因で風邪をひいては大きな損失。
 タクシーやバスの乗り降りも、傘のほうが動きがスムーズです。
●超軽量コンパクトな折りたたみ傘を一本手に入れておこう
 とはいえやっぱり折りたたみ傘は『かさばる』『使わなければただのお荷物』『建物に入るときにいちいち折りたたむのがめんどう』という印象がぬぐえません。
 しかし、優秀な傘を選べばそのようなストレスは完全に克服できるのです。







重さ130
グラム以下
 たとえば私が溺愛している傘(赤いからイチゴちゃんと呼んでいる)はわずか115グラム。CDケース一枚(CD+ケース+歌詞カード)程度なので、カバンの底に入れっぱなしでも重さは気になりません。
防水性能
重視
 最近は『雨でも使える日傘』と表示されたおしゃれな折りたたみ日傘がたくさん出回っていますが、素材が布(防滴加工をほどこしてあるといううたい文句)のものは旅行では避けたほうがいいでしょう。素材が布であるぶんやや重めだし乾きにくいし、また、さすがに大雨には弱いからです。
 理想的なのは、パッと振ればパッと水滴が落ちるテフロン加工などをほどこした素材。
開閉時に骨が
ばらつかない
 店頭では買う前に必ず一度は開閉してみましょう。折り目正しくたたみなおすのがおっくうでも、必ずや。
 最近は『超軽量!』『超小型!』『テフロン加工!』とうたった折りたたみ傘がコーナーにずらっと並んでいて、ついついグラム数や大きさなどの数値を基準に選んでしまいがちですが、実際には数ミリや数グラム程度の差は持ち歩きにはほとんど影響がありません。
 使いごこちにもっとも大きな影響がでるのは「開閉・折りたたみのスムーズさ」だと思います。
 私の愛用傘イチゴちゃんは、『さあ開くぞ』と柄をカチャッと伸ばしさえすればすべての骨が『スタンバイOK』の放射状に自動的にそろってくれる、要するに柄をカチャッと伸ばすだけで失敗なくドーム型に開いてくれる。とじる時もスムーズ。つまりありがちな『あーっ、骨の方向がバラバラで裏返っちゃった、失敗!イライラ』というのがない。
 百貨店・旅行用品店などでありとあらゆる傘を開閉テストしてみましたが、開閉のしにくさ・しやすさは傘によって雲泥の差がありました(値段が高いからスムーズというわけではないのがミソ)。
 ちなみにイチゴちゃんは旅行用品店で購入、1000円ぐらいでした。超軽量折りたたみ傘では安いほうです。
●傘は日本で購入していこう
 なお、傘は日本で購入していくことをすすめます。雨やスコールが多い地域でも、傘が売られていない(なかなか見つからない)ところが多いからです。
・その国では雨がやむまで軒先やカフェで雨宿りするのがふつう
・濡れても平気
・傘以外の道具がポピュラー
・ちゃんとした洋傘が主流で、折りたたみ傘を使う人が少ない
 仮に折りたたみ傘が売られていても、大きすぎるとか重すぎるとか、値段が高かったりします。
 イギリスなどヨーロッパでは持ち手の細工が見事な傘がたくさん売られていますが、
・スーツケースに入らない、入ったとしても、隙間につめこんだ衣類やおみやげ品の圧力や、輸送途中の衝撃で柄が曲がる可能性が高い
・かといって手荷物として機内に持ち込もうとすると、『長いものは困ります』と断わられたり、『お預かりします』ということになって預かり書などややこしい手配が必要になることもある
 ということを肝に銘じておきましょう。
●雨ガッパはスポーツ用品店で買おう
 防寒と雨対策を兼ねたウインドブレーカーや雨ガッパだけは、ケチらないのが得策です。
 スーパーやディスカウントショップでいくらでも安いものは見つかりますが、見た目が同じでも値段が安いものは縫い目から雨が浸透するからです。防水スプレーをかけても、そのスプレー代に見合うような効果は期待できないというのが個人的な感想。
 スポーツ用品店の登山コーナーやアウトドアショップで売られているもの、中でもゴアテックス(水は通さないが通気性がよい特殊素材)やゴアテックスと同じ効果をうたったものがおすすめです。高価ですが、軽いし、乾きも早いし、価格以上の値打ちあり(ただしデザインがスポーティーで幅広いTPOにもあうデザインは少ない)。
●大雨が続いたら魚は食べるな
 大雨や長雨で道路が浸水することも、外国ではままあります。
 そんなときはレストランで魚を食べるのは避けたほうがいいでしょう。食中毒が起りやすい状況にあるのは魚に限りませんが、特に魚は。
 道路がすぐ浸水するような国は、下水設備が十分整っていないと考えられ、要するに家庭排水などの汚水が魚の住む川や海にふだんより多く流れ込んでしまうからです。
 台風や大雨などの悪天候が続くと漁師が漁に出られず、レストランはやむを得ず古い魚を使う…というようなケースもあり、たとえ衛生上問題がなくてもあまりおいしくない可能性が高い。いずれにせよ魚は避けたほうがよいと言えるでしょう(もちろん食材流通の仕組みやレベルや衛生状態によるが)。
 歩道が水没していたり、大きな水たまりができていることも外国ではまだまだ多いです。
 道を歩いていてうっかりバシャッ、あるいは懐かしさからわざとバシャッとやりたくなることもあるでしょう。
 ただし、
・足に水虫がある
・足に傷がある
・足に虫さされをかきつぶしたあとがある
というような場合、そこからバイキンがはいって化膿しないとも限りません。
 雨上がりの町を歩いて足が濡れたら、シャワーできれいに洗い流しましょう。

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