●森優子プロフィール 森優子の楽しむ旅行術バックナンバー
2003.4.16 up
不安な時の情報収集
●石橋はたたいて渡れば憂いなし
 テロ・戦争・謎の肺炎の流行などの影響でゴールデンウィークの旅行をあきらめた方も多いかと思われます。
 いっぽう、中には「こんな時ってツアーや航空券の値段がおもいっきり下がるから」と、かえって旅の虫が騒いでいる人もあるかもしれません。
 目的地に政情・病気・自然災害などの不安要素があるとき、とうぜん生じるのが「はたして今いってよいかどうか」という迷いですが、さてこれってどのように判断すればいいのでしょう。
 少なくとも次の二つの思い込みだけは捨てましょう。
(1)飛行機やツアーが出ているから大丈夫
 今の時期はツアーを組んではいけない、飛行機を飛ばしてはいけないという強制力は日本の法令にはないので、旅行会社や航空会社が自主規制しない限り飛行機は飛ぶしツアーも販売されます。
(2)自分だけは大丈夫
 なんの根拠もない過信。
 つまり何かと不安材料の多い現状では、(1)(2)の思いこみだけで「大丈夫よぉ、いっちゃえー」というのはちょっと待った、ということでしょう。
 しかし逆にいうと、「大丈夫」と思える具体的な安心材料さえつかめればすっきりした気持ちで旅立てるということです。
 つまりはズバリ、自力で正しい情報を収集すればいいのです。
●ツアーが出てれば大丈夫なのか?
 くどいようですが、テロや肺炎や地震などの不安要素が発生した場合、あるいは「なんとなくあぶなっかしいよね」という雰囲気の時、ツアーを中止するかそのまま遂行するかは各旅行会社の判断にまかされています。
 とはいえ、営利企業が不安要素を無視するわけはありません。会社によって対応の速度や考え方に差はありますが。
 多くの場合、旅行会社が判断の目安にしているのは外務省が発出する4段階の「危険情報」です。
外務省
「危険情報」
(1)十分注意して下さい (2)旅行の是非を検討してください
(3)渡航の延期をおすすめします (4)退避を勧告します
 たとえば2003年4月現在、今なお戦闘が続いているイラクはいわずもがな(4)ですが、いっぽうアメリカには(1)〜(4)のいずれも出されていません(戦争をしている国なのに意外ですよね)。
 肺炎問題が深刻な香港は、中国広東省ともに(3)が出されています。
 旅行会社の対応を見ていますと、(3)が出た段階でツアーの延期・中止を決定するのがほとんどのようです。
●中止されたらツアー代金はどうなる?
 旅行会社の決定で中止された場合は返金されますが、たとえばモロッコのツアーに申し込んでいた人が自ら「ツアーが中止や延期になったわけではないけれど、なんとなく不安だからキャンセル」とした場合は規約に基づいたキャンセル料の支払いが生じます。
 ちなみに、湾岸戦争勃発時と9・11同時多発テロ勃発時を比較すると、「湾岸戦争は有事」とされるのに対し「9・11は民間機の事故」という扱いになる。つまり該当する規約が異なるため、航空券やツアーの払い戻し・支払いは状況がかわることも覚えておきましょう。
●こんなときツアー内容はどうなってるの?
 肺炎で騒がれているシンガポールやマレーシアでさえ、アメリカの国旗を路上で焼く市民がニュース映像でうつしだされたエジプトでさえ、ツアーは販売されています。
 ただし安全を確保し、お客さんが安心して参加できるように何らかの工夫や対策が講じられているものです。
 各社で内容は異なりますが、現在の例を挙げると…
肺炎の心配がある国では人ごみでの観光を避ける
いずれの国でもアメリカ大使館や領事館のそばを通らないようコースを変更する
アメリカ人が多く利用する店や施設に近づかない
警備員の人数を強化するなどホテル側に要請し、それにこたえるホテルしか利用しない
いざという時の(けがや感染)医療の確保を万全にしておく・・・・
という感じに。
 今の時期、インターネットで各社のサイトをみてまわると、会社によってうちだしている姿勢や具体策にある程度ばらつきがあることがわかります。
 画面上だけで旅行会社の良し悪しを判断するのは浅はかだとしても、やはりオープンに現状を伝え、対策に熱を入れている旅行会社のほうが安心感がもてますよね。
●旅行会社にコメントを求めても無駄?
 旅行会社のカウンターにつめよって、あるいは電話して「今、海外へ旅行へ行って本当に大丈夫ですか?」と質問する。
 これはあまり有益とはいえないでしょう。
 旅行会社の人は立場上「行かないほうがいいですよ」とはおいそれとは言えないし、だからといって「ぜったい大丈夫ですよ」と断言するわけにもいかないから。
 旅行会社側はけっきょく「まあ大丈夫だとは思いますけど、100パーセント安全という保証はできませんから、お客様のご判断ということになりますね」といった無難な答えを返すしかない。
 これは旅行会社があてにならないという意味ではなく、「大丈夫なの?」という質問に彼らは答えようがないということです。的中率100パーセントを誇る大占星術師か神様でなければ「ぜったい大丈夫」なんて断言できるわけないので。
●はさみと旅行会社はつかいよう
 旅行会社はつねにアンテナをはり、現地係員などと連絡をとりあってフレッシュな情報を入手しているはずですから、情報源としては大いに活用したいものです。
 ニュースで報じられている懸念材料が具体的には現地での旅行にどのような影響を及ぼしているのか、そこに焦点を絞ってききだす、これがポイントです。
 たとえば…
「東南アジア一帯で△△病が流行しているという噂を聞きましたが、タイのツアーは遂行されていますか? ツアー内容に変更はありますか? どんな対策をとっておられますか?」
「しばらく前に首都で暴動があったって聞いてますけど、観光に影響はでていますか? たとえばサンデーマーケットが閉鎖されているとか、地下鉄がとまってるとか」
といった具合。
 たとえ自分が流行病に感染しなくとも天災や政情の悪影響を受けなくとも、通常の観光ができないない可能性があります。いざとなったら変更や中止する勇気とあきらめる潔さをもちましょう。
(1)「ほんとに大丈夫?」とつめよっても相手は答えようがない
(2)判断するための目安が知りたいだけ、という点を強調する
(3)「あとであなたに責任をかぶせたりしないから。ざっくばらんな話どうなんですかね」と相手の逃げ道を作って情報を聞きだす
 以上がコツです。
●ちょこちょこのパソコン操作で道は開ける
 不安ならとにかく情報を集めて「やめる」も「行く」も自分で納得して決定することです。
 友だちに誘われて断わりきれず出かけて、万が一トラブルに遭遇したらきっと後悔するにちがいありません。
 要するに自分のため、大枚はたいて行く旅行をなにがなんでも楽しくするため。家族から批判され、自分も気が重い旅行なんてごめんです。
 インターネットが普及した現在では情報収集なんてちょろいものです。いくつかのサイトや情報を見るうちに「はー、だいたいそういうことか」という現状は見えてきます。
 次回はおすすめの情報源についてお送りします

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