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20数年前、女性が結婚したら専業主婦になるのが当たり前だった時代。「他人にわが子を預けるなんて!」という風潮の中で、女性が育児をしながら何らかの仕事を継続していくという人生を選択するためには、(1)子どもがいても自分の時間を持っていい、(2)そのために他人に子どもを預けてもいいのだという意識変革が必要でした。それができなければ、どんなに育児休業制度が整い、星の数ほどの保育施設ができても、女性は働かない。どうしても、一人一人の女性の認識を変える働きかけが不可欠だという思いから、30年近く前に、マザーリングセミナーを立ち上げました。そして、女性の人生は3つの輪、つまり「仕事」と「家庭や育児」「社会的な活動や勉強」の輪のバランスをとって生きることが大事。時代の変化や家族の変化で、それぞれの輪の大きさ、重なる部分、それらのバランスは変わっていくけれど、どれもゼロにせず、柔軟に生き方選択を重ねていこうと提唱してきました。
「子どもを預けていい、自分の時間を持っていいという言葉は目からウロコだった」と新しい人生選択を踏み出してくれた卒業生が次々に生まれました。育児をしながら社労士の試験にチャレンジした人、保育所を利用して会社勤務を継続した人、絵本作家を目指し投稿を繰り返した人…。「あのときの出会いがなかったら、今の私はいません」と報告しに来てくれる人が年々増えてくるのがうれしいこのごろです。
特に私がうれしいのは、ただ仕事の成功談を語りに来てくれるだけではないことです。結婚し子どもを持っても、自分自身の仕事やライフワークをあきらめず、家事と育児を両立し続けるのは、実際、とても難しいことです。また、20年もの間には家族のさまざまなアクシデントが誰にでもあるものです。夫がうつ病になってしまった、子どもの病気、学校でのいじめ、しゅうとめとのイザコザ…。理不尽な事件や事故の数々を体験していない人はいません。その体験を語りつつ「それを乗り越えるとき、耐えるとき、仕事が自分を支えてくれた」と話してくれることがうれしいのです。
私たちの人生は長いのです。結婚したら100%主婦、という生活では早晩ゆきづまります。「家庭と育児」プラス「仕事をする自分」「社会的な活動や勉強をする自分」を持っておくべきです。たとえ、主婦業や子育てが忙しくても、わずかずつでもいいから、3つの輪を維持し続けるのです。3つの輪の大小や重なる部分は人それぞれの価値観、何を重要と考えるかによって違います。いわば3つの輪の違いは個性の違いです。誰のものでもない、自分なりのベストなバランスを見いだすことが大事なのです。
揺るぎなく自分自身を磨き続ける人生があって、その延長上に結婚も病気も家族のトラブルも、ひっくるめて対処していける人生イメージをみんなが持てるように。社会の制度も風潮も、それがスタンダードになってほしいと願っています。
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2008.10/29 16:10
はじめまして。
いつもこのコラムを読ませていただいています。
今年の8月から育児休業を終了し復帰しています。
毎日この生き方でいいのか迷いながらなんとか3ヶ月仕事を続けてきました。
今の時代でも意識改革はまだまだだと思います。
復帰している自分ですら3歳児神話や子供を預けてまで働いて・・・、という思いにとらわれることがしばしばです。
「3つの輪を持っておく」「自分なりのベストなバランスを見出す」これをやっていくこと、そして応援してくれている人がいることを忘れずに自分なりの人生を作っていけたらと思いました。
これからも、ワーキングマザーの気持ちを後押ししてくれるコラムを楽しみにしています。