高校のときに好きだった夏彦と6年ぶりに再会した主人公のOL、志織。まず憧れるのは、高校時代からずっと同じ人を好きでいられる志織のいちずさ。好意を寄せてくれる男性と一緒になれたら幸せなんだろうな、と頭では分かっていても感情はうまくコントロールできない、そんな志織に共感しました。OLの恋愛観も表現されていて、自分と重なり合う部分が多いです。
「直木賞を受賞した著者は恋愛小説に定評あり。これは、中高生を対象としたものから、大人向けへとシフトしていったころの作品です」
ひょんなことから一つ屋根の下で暮らすことになった、いとこ同士の勝利とかれん。物語は5歳下の勝利の視点で進むのですが、読んでいるうちに、彼の“本当に好き”という気持ちがひしひしと伝わってきて、こんなふうに思われたらステキだなぁと感じます。ときめきポイントは、一歩ずつだけど深まっていく恋の過程。表現が細やかなので、二人の手が触れるだけで、こちらまで一緒に緊張してドキドキしてしまいます。じれったいなと思うこともあるけれど、これぞ純愛です。
「著者の代表作で、現在15作目まで発行されている同シリーズ。女子はもちろん、男子にも人気が」
いわゆる恋愛小説というわけではありませんが、主人公の小麦がある事情から元同僚・五条への思いを隠し通そうとする姿に切なくなりました。五条は留学するとき「一緒に行こう」と真剣に誘い、小麦もそれを「プロポーズなのかな」と思うも泣く泣く断ったり、お互い意識しているのに相手に伝わらず、すれ違ってしまうのが、もどかしい。けれど、これも一つの恋愛のカタチなのかもしれません。
「ミステリー作家が書く家族小説。ベタベタな恋愛小説が苦手だったり、普段は恋愛ものを読まない人でも読みやすいですよ」
主人公は今までまともに恋愛したことがない36歳女性。そんな彼女がある物理教師と出会い恋に落ちますが、自分の気持ちに戸惑う心情が丁寧に描かれています。好きな人とはいろんな話をしたいもの。彼が光の話をしたら本を買って調べたり、普段は音楽を聞かないのに彼が好きだという曲を聞いてみたりと初々しい。忘れてしまった気持ちを思い出させてくれるので、恋人と倦怠(けんたい)期の人には特に読んでほしい一冊です。