イラストレーター カンバラクニエさん
演出家・俳優 山崎彬さん
Le Petit Mec(ル・プチメック)オーナー
西山逸成さん
mama! milk 生駒祐子さん
書店員5人が選ぶこの一冊
読書気分が盛り上がる秋。みんなはどんな本を読んでいるのか、知りたくない? そこで、京都で活躍する各ジャンルの4人と書店員に「ずーっと大切に持っていたい本を教えてください」と、インタビュー。答えてくれた人のほとんどが、「難しい質問でした…」と、つぶやいたこの企画。悩んだ末に選ばれた、“この1冊”たちを紹介するよ。
イラストレーター・カンバラクニエさん
 「情報量の少ない本が好き」というカンバラクニエさん。「読むことにも、見ることにも集中しなくていい」子ども用の学習事典や料理本を愛読しています。
 今回紹介してくれた「にほんご」も、小学校の教科書用に私案で作られたもの。約1年前に古書店で一目ぼれしたものの、「状態が悪くて買うのは断念。古本屋さんで探し続けて、最近やっと見つけました」という1冊です。
 見せてもらうと、字はひらがなばかり、絵もなつかしい感じ…。淡い色使いや、「大胆な余白(笑)」もお気に入りポイント。「絵が描けなくてもがいているときに、開くことが多いですね。なんにも考えずに読めるところが好き」。とはいっても、「なんとなく使っている日本語のことを、改めて考えさせられる」と、内容もちゃんとアリ、なのです。
 実は、こういった子ども用の本が仕事のヒントになることも。「表紙もかわいいでしょ。“本棚に並べてかわいい”っていうのも、好きな本の条件です」
カンバラクニエさん
「いい場所を見つけたら、パッと座って読みたい」と、毎日の散歩には必ず本を持って。“くろ谷さん”の日かげもよく行くスポット(撮影協力/金戒光明寺)

京都生まれ、京都在住。作品集「RESET」(リトル・モア)を出版。イラストの仕事を中心に、着物のデザインなどでも活躍
にほんご ●どれくらい本を読む?
               ……月に10冊
●好きなジャンル
               ……小説、児童文学、事典、料理本など


「にほんご」
安野光雄・大岡信・谷川俊太郎・松居直/編 福音館書店 1575円

小学校1年生の国語の教科書のために、私案で作られたもの。絵と文字で、ことばの世界のおもしろさがつづられています

演出家・俳優 山崎彬さん

 山崎彬さんは、年に約4本の脚本を書き上げる演劇人。山崎さんにとって、本は「困ったときに、ちょっと助けてくれる存在」です。「恋と退屈」は、ロックバンド・銀杏BOYZの峯田和伸さんのブログをまとめたもの。「実は昨日、銀杏BOYZのライブに行って。楽しかったぁ〜」とうれしそうに話してくれた、“峯田ファン”の山崎さん。そのきっかけは、音楽ではなく、彼の主演映画や雑誌のインタビュー。
 「人間そのものに、惹かれた」のだとか。「自分が日々思っているようなことを、代わりに言ってくれている感じ。おもしろい本はたくさんあるけど、心に残るのはこういう本」と山崎さん。「僕も“発信する側”の1人なんで、そんなやり方があったか〜って思わされるんです」
 この本は、「日常が書いてあるだけなんやけど、そこに心の動きもあって、ケガをしたり、警察に捕まったり(笑)。1人の人間を追った小説みたい。そこまで書いていいん?みたいなことも書いてあって。女性が読んでもおもしろい…と思いますよ」。

山崎彬さん
山崎さんの読書スタイルは、「芝居のけいこがあるときは、その合間に、外のベンチでだらっとしながら」

京都を拠点に活動する演劇集団「悪い芝居」の代表・脚本家・演出家・俳優を務める24歳。2008年4月、大阪の精華小劇場にて、「精華演劇
祭vol.9 いちげんさん」での公演を予定
恋と退屈 ●どれくらい本を読む?
               ……月に2冊
●好きなジャンル
               ……特になし。あえて言うなら
                  “ちょっと視点がずれているもの”


「恋と退屈」
峯田和伸/著 河出書房新社 1890円

ロックバンド「銀杏BOYZ」のボーカル・峯田和伸さんの1年半にわたるブログから厳選された、150のエピソードをまとめたもの

西山逸也さん
 多くのファンを持つブランジュリー「Le Pet i t M e c」のオーナー・西山逸成さんは、「世の中から無くなって困るものは、本屋さん」というほどの本好き。取材で訪れた自宅には、料理本、マンガ、小説、ビジネス書などが本棚にぎっしり並んでいました。
 そんな西山さんの“この1冊”は、26歳のころに出合った絵本「ぼくを探しに」。何かが足りない、ぼくには何かが欠けている、だからぼくのかけらを探しに行く─。「シンプルな話なんやけど最後の答えはない。読む人によって感じ方が違うんです」。実際に、店のスタッフ全員に読ませてみると、「どんな年代の子が読んでも、本を閉じて黙って考えている」のだそう。
  西山さん自身も、パンの修業を始めたとき、フランスへ行くとき、店を始めたとき─。人生の節目に、この本を開いてきたそう。そして、「今の僕の答えは、“欠けているからこそ前に進める”。節目ごとに開いて、またいろいろ考えるんやろうなぁ。50歳になっても、70歳になっても」。
西山逸也さん
「ひきこもるの、大好き」な西山さんの読書スポットは、もっぱら自宅。おもちゃあり、マンガあり、本あり、DVDあり、好きなタレントのポスターも!

ブランジュリー「Le Petit Mec」のオーナー。8月、衣棚通御池上ル に2号店( 通称・黒メック)をオープン
ぼくを探しに ●どれくらい本を読む?
               ……時間がある時期は、月3〜5冊
●好きなジャンル
               ……ビジネス書、ミステリー


「ぼくを探しに」
シェル・シルヴァスタイン/著 倉橋由美子/訳 講談社 1575円

何かが足りない、ぼくには何かが欠けている、だからぼくのかけらを探しに行く―。シンプルな言葉とイラストで、読者に「自分とは何か?」を問いかける

生駒裕子さん
 「昔は、知らない世界を描いた文章に入り込むのが好きだったけど、今は同じ時代を生きている人の言葉に夢中」と笑う生駒祐子さん。選んだ1冊は、「ありのまま〜ていねいに暮らす、楽に生きる〜」です。法然院の住職・梶田真章さんが語るテーマは、歩く、食べる、掃除する、など生きることそのもの。「無意識にやっているけれど、ひとつひとつに意味があるんだって、驚きを与えてくれます」
  この本を読むのは、寝る前や疲れたとき。そのたびに感じ方が変わるそう。「わかりやすく、美しい日本語で書かれているからかな。私がこれから経験を重ねていくと、きっとまた違う感じ方をするんだろうなぁ」
  なかには、寺での仕事に関連づけてつづられている章もあって、実際に法然院を訪れて本の内容を思い出すと、「そういうことね」と新たな発見をすることも。生駒さんは、そうやって何度も、何通りにも“本を味わう”人。そうすると、「100倍楽しいですよ(笑)。同じ時代に生きていること、本で触れた世界にすぐに行けることに喜びを感じられる1冊です」。
生駒裕子さん
仕事であちこち飛び回る生駒さんは、移動中の読書が多いそう。そんな彼女にとって、カフェで本を読むひとときは、「ぜいたくで、大好きな時間」(撮影協力/ flowing KARASUMA)

京都生まれ、京都在住。作品集「RESET」(リトル・モア)を出版。イラストの仕事を中心に、着物のデザインなどでも活躍
ありのまま〜ていねいに暮らす、楽に生きる ●どれくらい本を読む?
               ……月に1 〜 5冊
●好きなジャンル
               ……小説、随筆、紀行文など


「ありのまま〜ていねいに暮らす、楽に生きる〜」
梶田真章/著 村松美賀子/構成・文 リトル・モア 1575円

法然院の貫主(かんす)・梶田真章( しんしょう)さんの仏教に基づいた、「楽に生きる」ための42のヒントが書かれています

カンバラクニエさん 山崎彬さん西山逸成さん生駒祐子さん書店員のこの一冊
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[情報掲載日:2007.9/26]