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高平慎士
“たかが走ること”で
人の心を動かせることを実感
陸上
高平慎士 (富士通)

 この夏、数々の感動が生まれた北京オリンピック。中でも、日本陸上の短距離でメダルを獲得したことは快挙だった。男子400mリレーで、3走を走ったのが高平慎士。決勝では、同じ3走にあのウサイン・ボルト(ジャマイカ)がいる中、燃えつつも冷静に走る高平の姿は、人々の記憶に印象的に残っているのではないだろうか。

 「うれしかったですよ。メダルは簡単に取れるものじゃないし。リレーは運動会などで多くの人が経験する日本の文化だから、より盛り上がったんだと思います。帰国後、お店に入って突然イクラのパックをもらったりもしました(笑)」

 小学6年まで野球も陸上もやっていたが、中学の先生が誘ってくれて、陸上を選んだ。ほかの競技に比べて、「自分の責任が自分にはね返ってくるのが好きだった」とも。


7月の南部記念陸上100mのレース 写真提供:富士通:(株)
7月の南部記念陸上100mのレース
写真提供:富士通(株)

 「人間の限界を突き詰める競技はほかにない。力を出し切ったら死にますよ。自分の限界がどこにあるのか、自分の中に蓄積されているものから少しずつ探っていく」。記録も勝負も走ることからしか生まれないシンプルな競技。陸上選手としてやっていけるのは、身体能力の秀でたほんの一握りの“天才”なのである。

 高平はこのオリンピックで、「たかが走ることで、人の心が動かせることを実感できた」という。「日本中の“感動した”という声に対して、また感動を与えられるか。あの選手の走りを見たいと思ってもらえるか。それをまたあらためてできることが夢であり、目標となります」

PROFILE

1984年7月18日生まれ、北海道出身。身長180cm、体重62kg。旭川大高→ 順天堂大。2007年富士通入社。2004年アテネオリンピック出場、2008年日本選手権200m1位、大阪世界選手権400mリレー5位(3走)、2008年北京オリンピック400mリレー3位(3走)。自己記録は100m10秒29、200m20秒35、400m46秒01
富士通陸上競技部 http://sports.fujitsu.com/trackfield

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撮影/星元 文/宮澤亜美子
[情報掲載日:2008.12/10]