「いつの時代も女性は強い」と話す中村獅童さん。彫刻家イサム・ノグチを育て、波乱の時代を生き抜いたアメリカ人女性レオニーの生涯を描いた映画「レオニー」に出演した中村さんは、レオニーが愛した、詩人で夫の野口米次郎を演じました。「イサム・ノグチの存在は知っていたけど、こんなに深くかかわれると思っていなかった。台本を読んだとき、米次郎はなんてワガママでヒドイ男なんだ!という印象でした」
米次郎は詩を作り、作品を英訳してくるパートナーとして、レオニーと出会い、結ばれた。しかし、戦争によって反日感情が強くなったアメリカでは暮らしづらくなり、妻と子を見捨てて日本へ帰国。「女性からあまり好感が少ない僕になぜ監督はこの話を持ってきたか、疑っちゃいましたよ(笑)。でも、その時代の生きざまを演じ伝えることは自分が俳優としてすべきこと」と作品と向き合い、演じ切った中村さん。


“地球を彫刻した男”として世界中に知られる芸術家イサム・ノグチを育てた女性レオニーの生涯を描いた作品「レオニー」。11月20日(土)角川シネマ新宿ほか全国ロードショー。配給:角川映画
©レオニーパートナーズ合同会社
公式サイト
http://leoniethemovie.com/
これまでに海外の作品に出演したことがある中村さんは意外にも“セリフが全部英語”ということは初めてだったようで、「セリフは英語に限らず、日本語でさえも普段使っていない言葉。歌舞伎も同様で現代語ではないから、まずは言葉の意味を調べて、何度も繰り返し言うことで自然と気持ちが乗っていきました」。一番難しかったのは、「セリフのない行間部分」という。「レオニー役のエミリーさんとは随分話し合いました。お互い納得がいかないと演じられないタイプで(笑)。だからこそ、いい作品になりました」
今作を通じて、あらためて実感したことが。「イサムがアーティストになったのは母の影響だったんです。今、自分が俳優になったのは母が歌舞伎以外にミュージカル、大衆演劇などを見せてくれたから。幼少期に受けたものが無意識のうちに仕事につながっているということを映画を通して感じました。母に感謝ですね」
1972年9月生まれ。祖父は昭和の名女形 三世中村時蔵。8歳で歌舞伎座初舞台、2003年「義経千本桜」に初主演。本名で受け、オーディションで採用された「ピンポン」で日本アカデミー賞、ゴールデンアロー賞などの新人五冠を達成。「阿修羅のごとく」、「男たちの大和」やジェット・リー主演「SPRIT」、クリント・イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」など世界でも活躍
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