ドラマで人気を博した「クロサギ」が映画化、そして映画初主演、と注目度がますますアップしている山下智久さん。トントン拍子でも「周りの方が頑張ってくれて、全部のタイミングが重なったおかげです。“映画”という意識も最初はすべきかと考えましたけど、今まで通りのお前でいい、と監督に言われて楽になりました」と、気負いはない。
山下さん演じる黒崎は、人を騙(だま)して金銭を奪うシロサギをターゲットに、奪われた金銭を取り戻す詐欺師・クロサギ。騙された弱者の味方になっての“騙し返し”ぶりは、小気味よくてカッコいい。「でもシロサギ側にもいろいろ背景はあるし、やっぱり犯罪は犯罪。黒崎はそれを分かっているから葛藤(かっとう)があるし孤独でもある。そのカッコ悪いところこそが、黒崎の人間らしい魅力でもあると思う」。騙し騙され、の緊迫感の裏に、人間としての悲しさや寂しさも流れる。「黒崎は、自分のやっていることが本当に正しいのかどうか分からず、答えが見つかっていない。オレも実際、黒崎を演じる上での答えも見つかっていないし、これから生きていく上でも同じ。やっぱり人間としての心情は一緒だなと思います」
劇中で、そんな悲しい表情を見せるかと思うと、威勢のいいヤリ手のIT企業社長や、さえないアキバ系の技術者に化けたりと、山下さんの“七変化”は、男として人として色気がある。「そう言われるとすごくうれしいなぁ。頑張ったかいがありました(笑)。やっぱりね、見返りじゃないけど、“よかったよ”と言ってくれる人がいるから頑張れるんだと思いますね」。クールな雰囲気から一転、優しい笑顔に変わる。
「オレなんか黒崎に相手にされないと思うよ。いい人だなと思うと信用しちゃうし。でも人間、疑うばかりより騙されるくらいでいいかも」。しかし優しいだけじゃない山下さん。実は高校のとき、先生に「六大学に行く」と言ったら、「バカか」と言われて奮起し猛勉強。見事明治大学に入学し、4年目を迎える。有言実行の負けん気の強さも魅力だ。
「周りにはOLになる同級生もいます。頑張って働く女性はえらいなぁと応援したくなります。疲れたときはこの映画を楽しみの一つにしてくださいね」