小学3年生の夏休みに祖母の家で見たテレビに映っていた惨劇、私たち世代でも鮮明に記憶しているだろう。
1985年8月12日の日航機墜落事故は史上最大にして最悪の航空機事故。そんな大事故の取材に新聞記者としてかかわった作家・横山秀夫のベストセラー小説が原作ということで、注目していた「クライマーズ・ハイ」。事件を追う興奮状態と登山時の興奮を両軸に、原田眞人監督が2時間30分を超える大作に仕上げた。
知りえなかった当時のこと、あの事件の現場で起きていたこと、地方新聞のありかた、報道のありかた。人として、組織の一員として、リーダーとして、父として…。それぞれの人がそれぞれの立場で違う見方をできる作品だと思う。
舞台は墜落現場に近い群馬県の北関東新聞社。日航機墜落事故の全権デスクを任せられたのは、組織から一線を画した遊軍記者・悠木和雅。演じるのは堤真一。その日その日の締め切りギリギリの攻防、全国紙とのスクープの駆け引き、混乱の現場、その逼迫(ひっぱく)した新聞編集の現場に圧倒される。私たちが毎日手にしている新聞は、こんな人たちの熱や信念が込められていることを初めて目にした。その緊迫感はすごい! 販売局の同僚安西に高嶋政宏、県警キャップ佐山に堺雅人、セクハラ・パワハラの怪演が見ものの新聞社ワンマン社長に山蕪w。ほかにも遠藤憲一、田口トモロヲ、滝藤賢一、皆川猿時と脇を固める一人ひとりが印象に残る。いろいろな感想があると思うが、信念を持ち、人と正面きってぶつかってみることも必要だな、帰り道私はそんなことを思った。
(ニッポン放送アナウンサー 増田みのり)