80年代後半に青春映画で人気を博したものの、数年前まで「あの人は今?」状態だったパトリック・デンプシー。無精ヒゲがセクシーな脳外科医を演じるテレビシリーズ「グレイズ・アナトミー」で奇跡的復活を遂げた“パトデン”が、久々に主演するラブコメが「近距離恋愛」だ。
トムとハンナは10年来の大親友で、女たらしのトムの恋愛事情を2人で検討したりもする。ハンナがスコットランドに長期出張したことで彼女への愛に気付くトムだが、帰国した彼女はなんと富豪の貴族と婚約していた!?
ラブコメ慣れした人なら先の展開が読めるはずだが、ポイントはトムの頑張り。親友だからとメイド・オブ・オナー(=花嫁付き添い人)を引き受け、ウエディングドレス選びや司祭との打ち合わせに同行し、バチェレット・パーティーの手配をしながらジリジリとハンナとの距離を縮めようと奮闘。白馬に乗った王子さまもどきのライバルに10年間に蓄えたハンナ知識という武器で立ち向かう! 意外にもヘタレで、ハンナ奪回の途中でくじけそうになるトムを叱咤(しった)激励する男友達や父親もいい感じ。特にすてきなのは、先日他界したシドニー・ポラック監督が演じるトムの父親。「カサブランカ」で愛する女性を手放したリック役のボギーを「弱虫だ!」と一刀両断し、息子にハッパをかける。すごいセリフ。そんじょそこらの男には言えないっすよ。もちろん女性が見るべきは、ハンナの恋愛ライフ。彼女の選択を考えると、少しでも心をときめかせた男性とバディ関係になるのは女性にとってはNGと痛感。関係を一歩進めたいのなら女性も頑張るべしと思うのだが、いかがだろうか?
(ライター 山縣みどり)