「携帯小説」という言葉が、一般にも浸透するきっかけとなった作品「恋空」。中高生を中心に、1200万人以上の人がこの話で泣いている。著者、美嘉さんが体験した青春を、赤裸々に、そして素直に書き記した実話である。私もブログを書いているのだが、くだらない内容でさえ日記公開的で抵抗感がある。しかし「恋空」では、絶対人に言いたくない過激な告白も含まれていて驚く。映画の脚本には多少手が入っているものの、原作を大事に展開していく。
美嘉(新垣結衣)とヒロ(三浦春馬)は、高校に進学してすぐに出会った。ヒロの友人のチャラ男が、美嘉に興味を持って近づいたのがきっかけだった。結局、チャラ男は美嘉の親友のアヤと付き合うことになるのだが、ヒロは美嘉の電話番号を知り、自分が誰だか明かさずに美嘉に電話をする。美嘉は相手の顔を知らないまま少しずつヒロに引かれていくが、チャラ男グループの1人と知り、一度は拒む。ノリの軽い男は苦手なのだ。それでも、徐々にヒロの優しさや純粋さを知り、引かれてゆき、大きな流れのようなヒロのペースに巻き込まれてしまう美嘉。
ある日、ヒロの言うままに学校をサボり、彼の部屋で結ばれてしまう。初めてだった美嘉をヒロは終始気遣い、その優しさに恋心がマックスになった途端…。ヒロは無意識に、美嘉を元カノの名前で呼んでしまう。美嘉は傷つくが、「もう別れた」というヒロの言葉を信じる。しかし、美嘉が本気で誰かに「恋をする」という初めての体験を実感すればするほど、「運命」というどうすることもできないような、数々の悲劇が彼女を襲う。
とにかく、主演の新垣結衣ちゃんが、初恋や失恋に戸惑う、守ってあげたくなる女子高生を初々しく演じていてめちゃくちゃかわいい。また、三浦春馬も、静かなイケメンギャル男役を素直な演技で真っすぐ演じていてカッコイイ。女性監督ならではの画面の美しさと柔らかさが、作品全体を優しく包んでいる。(写真家 AMIY MORI)