今秋話題の日本映画、なぜだか「ワルボロ」「自虐の詩」などヤンキーテイスト満載な作品が面白い!思い起こせば80年代、「湘南爆走族」や「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズを思いっきり白い目で見つめ、「私とは無関係の世界だわ」とバブリーな大人を目指していたのに、巡り巡って平成貧乏の2007年秋「ヤンキーの世界、分かりやすくて面白ー」とハマる日が来るとは…(感慨)。
中でも、見終わった瞬間から見知らぬ隣の女性たちと「カッコイイ!」と手と手を取り合ってきゃあきゃあ叫び、喜んでしまったのが「クローズZERO」。物語は至極シンプル。鈴蘭高校というワルな男子校にわざわざ転入してきた滝谷源治が、魑魅魍魎(ちみもうりょう)のような不良たちに戦いを挑み、学校の統一を目指す物語。なんでもあまりにも強いやつらがそろっているので、けんかしているうちに卒業を迎え、開校以来いまだ学校を制覇した男がいない。だからこそ野望に燃えるやからたちが後を絶たない…という、どこか戦国時代を思わせるストーリーだ。
累計3200万部を超える人気コミック「クローズ」のプロローグとして作られたものだけど、原作のことを全然知りませんでした。でも大丈夫。けんかに明け暮れる男子たちが、「これはどうしたこと!?」と驚がくするほどカッコよく撮られているのがポイントだから。
源治役は「花より男子」の王子様のイメージを一新する小栗旬で、しなやかな動きがいい! 驚きは「電車男」と同一人物とは思えぬ山田孝之で、水を得た魚のように源治の最大の敵、芹沢をふてぶてしく演じていてこれまたいい! 高岡蒼佑も、宮崎あおいがなぜ彼と結婚したか理解できるたたずまいだっ。
「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」に引き続き、もん絶するような男の美しさを役者から引き出す三池崇史監督はスゴい! ラスト30分、俳優たちが体を張ってけんかに明け暮れる姿は、いつしか運動会の騎馬戦を見ているようなすがすがしい感覚に。ああっ、爽快! (映画ライター 金原由佳)