

監督:ジョン・リーハンコック 出演:サンドラ・ブロック、ティム・マッグロウ、クイントン・アーロン、キャシー・ベイツほか
2月27日(土)から、新宿ピカデリーほか全国公開(配給/ワーナー・ブラザーズ映画)
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/theblindside
タフで心優しき南部女性と巨漢少年が
紡ぎ出した、奇跡のような実話に涙
日本ではイマイチ人気がないアメリカンフットボールが個人的には大好きで、毎年スーパーボールの放送にウキウキ。だから右利きクォーター・バック(QB)の死角を守るレフト・タックル(LT)の重要性は熟知していたし、「ボルティモア・レイブンズ」のマイケル・オアー選手も知ってはいたが、本作で彼の数奇にして幸運な半生を知り、正直驚いた。
薬物依存症の母親から育児放棄されたマイケルは里親を転々とした揚げ句にホームレス状態となっていた少年時代、裕福なリー・アン・トゥーイーと出会う。同級生の母親だったリー・アンはTシャツと短パン姿で凍えるマイケルを自宅に招き、やがて彼の後見人となる。
物語を引っ張るのは、サンドラ・ブロックが熱演する南部女性リー・アンだ。何者かもわからない巨漢少年に一夜の宿を提供したことをきっかけにマイケルと心を通わせ、隠れた才能を開花させようとする。何の見返りも求めず、優しさだけで貧しい少年に救いの手を差し伸べる姿はまさに“善きサマリア人”。「リッチな白人のエゴ?」と自問自答もするが、肝心なのはマイケルの成長とばかりに突き進むリー・アンの肝っ玉ママっぷりがイカす! 保護本能は強いが争いが嫌いなマイケルをLTとして奮起させるため「チームは家族。家族を守るのよ」と叱咤激励(しったげきれい)し、合格点をくれない教師に抗議する。心に決めたことは絶対にやり遂げる彼女はトゥーイー家のQBなのだ。初めて人の優しさに触れたマイケルが戸惑いながらも心の壁を崩していくくだりは心地よい涙がわいてくる。
経済的に余裕があるとはいえ、他人を思いやれるリー・アンの広い心にはただただ敬服。不況のせいで優しさ不足になりがちなこの時代、困った人への思いやりを持てる人間でありたいと心底思わせられた。 (ライター 山縣みどり)
[ 活躍する女性4人のcinema essay ] | 2010.02/24 09:30
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