

監督:ガーボル・ロホニ、出演:エミル・ケレシュ、テリ・フェルディ、ユディト・シェル、ゾルターン・シュミエドほか
6月20日(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開(配給 /アルシネテラン)
公式サイト
http://www.alcine-terran.com/kanpai/
年金暮らしの老夫婦が巻き起こす痛快な強盗物語
平均寿命が伸びている現在において、老後への不安はどこの国も抱える問題。特に弱者に優しくない日本では、お金を持たない老人は年を取ったら死ぬしかないような法案が通ってしまったりする。今回の映画はハンガリーの映画だけど、同じように身につまされるような話。といっても暗く沈みこむだけの映画ではない。要所要所でクスッと笑えるのだ。
頑固だけどセンスのいいおじいさん・エミル(エミル・ケレシュ)や、ちょっと強気で愛情深いかわいいおばあさん・ヘディ(テリ・フェルディ)が、とにかくやってくれるのである。話は若いころの二人の出会いから始まるのだが、その運命の出会いから一気に60年くらい先の現代へと飛び、家賃の取り立てに悩む年金暮らしの老夫婦となった二人の生活が描かれる。
ある日、取り立てに来た男に二人の大切な思い出のダイヤモンドを、借金のかたに持っていかれる。そしてエミルはその夜、人生を変えてしまうとんでもない決意をする。ダイヤモンドと同様、若かりしころから大切にし、手入れを怠らなかった愛車1958年製のチャイカで出掛け、銀行強盗を犯してしまったのである。しかも、堂々と…。その後もそんな目立つ車で、次々と強盗をやってのけるエミルの姿は防犯カメラに映ってしまっており、素性はあっという間にばれ、妻・ヘディの元に警官がやってくる。自首を勧めるよう警官に説得され、結局エミルの元に向かったヘディだったが、夫を心配した彼女は警官の目を欺き一緒に逃げてしまう。そして共に銀行強盗をすべく銀行に乗り込むこととなる。
とにかく淡々と、何事も老人のスピードで罪を犯していく二人がユーモラスでかわいくて、つい応援したくなるステキな映画。ラストもいいよ。
(写真家・映画監督AMIY MORI)
[ 活躍する女性4人のcinema essay ] | 2009.06/03 09:00 | コメント (0)
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