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2006年12月19日
今どき“マイナスイオン”なんて言ってたらまずいんじゃない?
リアルフリートが展開する「amadana」というデザイン家電のブランドには興味があるのでたまにサイトをのぞいているんだけど、その中の新製品で「イオン式サイレント空気清浄機」というのがありました。
すごく小さくて、小型のラジオみたいな外観でなかなかいいんじゃない?と思い、こんなに小さくてどうやって空気をきれいにするんだろうと機能説明を読んでいたら、以下のような記述がありました。
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[コロナ放電でしっかり集塵]
コロナ放電による空気清浄機です。
ちりやほこりをマイナスに帯電させ、集塵板でしっかりキャッチ。
+(プラス)が−(マイナス)の電気に引き寄せられる原理を利用し、高圧放電により、ちりやほこりを帯電させて集塵する仕組みのイオン式空気清浄機です。
森林や滝のそばで多く存在すると言われているマイナスイオン。
心地よい空間を演出します。
●コロナ放電とは
二つの導体の間で局部的に高電圧が生じたとき、空気の絶縁が破壊されて発生する光を伴う静かな放電現象です。
コロナ放電により、空気中の酸素分子がマイナスに帯電し、それにより空気中の水の分子が引き寄せられてマイナスイオンが発生します。
マイナスイオンの発生により、プラスに帯びている空気中のごみを囲み、それがプラスを帯びている放電極の前面にある集塵板に付着してごみを吸収します。
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コロナ放電うんぬんで集塵する、というのは、要するに静電気でほこりを吸い付けるというだけの話を、いかにも科学的な表現でもって語っているわけですが、そのためにファンがなくて静かだということ。静電気だけで部屋中の空気の集塵をしようと思ったら、めちゃくちゃ強力な静電気がいるんじゃない? 近くにいたらビリビリするんじゃないの?と思ったので、さらに詳しく調べようと「FAQ さらに詳しい技術情報はこちら」をクリックしたのですが、「404 Not Found」となってページが存在していませんでしたので詳細はわかりませんでした。
そして上記の説明に突然「マイナスイオン」という言葉が出現しているのにもちょっとクラクラしました。
マイナスイオンに対する一般的なイメージとしては、森林とか滝のそばみたいに、ひんやりとして気持ちいいー!てな感じでしょうが、実は物質の定義がないものであり、「マイナスイオン」なる化学物質は存在しないということになっています。いちおう科学的には、マイナスイオンは「空気負イオン」というものがそれに当たるとされていますが、業者によって定義や役割はまちまちです。
それにマイナスイオンてのはもう何年も前に、いくつもの公的機関から「こっちの実験では効果や効能が認められないものだから、それを表示するのであればちゃんと根拠を示せ」という通達が出されています。つまり「インチキ科学用語」というお墨付きを得ている言葉で、マイナスイオンの“効果”を標榜する商品はソフトバンクの広告でも話題になった「景表法」に触れる可能性がある、ということになっています。最近では、東京都が11月に出した報道発表資料があります。
●東京都生活文化局
「科学的根拠をうたったネット広告にご注意!"『マイナスイオン商品』表示を科学的視点から検証しました"」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/11/20gbr500.htm
この資料によれば、そもそも「マイナスイオン」なる物質は、定義がまちまちで実体がないものなので本当は検証しようがないけど、ここは「空気負イオン」ということにして検証してみましたが、いずれも機器によるイオンの発生やその効果・効能が認められるものはなかった、ということになっています。
ここで、「あれ?大手家電メーカーでもマイナスイオンで除菌とか言ってるのってたくさんあったと思うけど、あれは大丈夫なの?」という疑問を持っている方も多いと思います。昔から「ファジーなんたら」「ニューロンなんたら」などと新しい売り文句をいくつも開発してきただけあって、変わり身の早さはさすがです。すでに「マイナスイオン」という直球を投げているところはほとんどありませんが、代わりのイオンをすでに「発明」済みです。
【各社の標榜しているイオン効果】
●ナノイーイオン(松下)
メガアクティブイオン(松下)
●プラズマクラスターイオン/除菌イオン(シャープ)
●アレルオフイオン(日立)
●プラズマソルジャーイオン(東芝)
なんかめちゃくちゃ強そうな兵器みたいな名前が並んでいて面白いです。東芝なんかは、イオンが悪玉菌と戦う兵士みたいなイメージなんでしょうか? でも謳っている効果自体は昔のマイナスイオンとそう変わらないんですけどね。
各社の説明を読んでいると、それなりの検証機関の実験で効果を得ているという表示がされているけど、そもそもの物質の定義とかがあいまいなので、いまいちよくわかりません。いち消費者に効果が判断できるものではなく、「こんなのインチキだ!」などと断定はできないので、否定するものではないのですが、これらの効果を過大に評価して購入の検討材料にするということは避けた方が賢明かと思われます。
東京都のレポートでも、消費者へのアドバイスとして、
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消費者は、一見、科学的な根拠に基づくかのようにみえる効果・性能をうたった表示であっても、これをうのみにせず、多角的に情報を収集したり、東京都消費生活総合センターに相談するなどして、商品・サービスを合理的に選択していく必要がある。
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と締めくくっています。結局はそういった悪意がある(とまではいかないにしても、誠意のない)企業から身を守るには、いろんな情報を自分で集めて総合的に判断しなさいよ、ということです。
今年の夏にガソリンが高騰したとき、「燃費向上グッズ」と称した製品がかなり売れたということもありました。科学的な根拠のない製品を何万円も買い込んで、「これでガソリン節約できる!」と喜んでいた人がニュースで取り上げられてたりしましたが、何万円分もの節約効果を得るには、一体何千リットル給油しないといけないんだということとか、そんな効果があるんだったら車メーカーが即採用しているはず、とかいうことを露とも考えないとは、大変おめでたいことですなあ、などと思っていたわけですが、普段の身の回りにも忍び寄る「インチキ科学」製品には気を付けないといけませんね。
とくに女性の皆様! ほとんどの人が興味があると思われる美容・ダイエットの分野に関しては、このようなインチキ科学がまかり通っていますので、十分ご注意ください。
投稿者 dennou : 2006年12月19日 12:00
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