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2006年09月13日

これを作った人の頭の中をのぞいてみたい

11日の記事「使う人が悪いんじゃなくてデザインが悪いんだ」に関連して、ウチの家の中にある“これはヒドイ”というものをピックアップしてきました。

写真はウチのお風呂の給湯器です。沸き上がりの時間を予約しておけば、その時間にお湯を張ってくれるという、一般的な自動給湯器です。予約できるということは、まず何よりも先に、内蔵時計を正しく設定しておかないといけません。

この手の家電に内蔵されている時計って、なんかしょっちゅうズレまくるんだよね。普通の時計よりも誤差が大きいというか、朝なんかはわりと“時計そのもの”を見ずに、行動半径内にある「時刻を表示しているもの」を見ながら支度するということが多いと思いますが、これに従って行動していたら、実は5分も遅れていた!などということが判明し大あわてになる、という経験がある人も少なくないと思います。

そこで問題です。このパネルを操作して、時刻を合わせるにはどうしたらいいでしょうか。ここに表示されているボタンをどうにかこうにかすれば、時刻設定モードに入ることができるはずですが…。

まあ「時・分」というボタンがあることから、普通なら「このボタンをどうにか操作したら…」と予測できると思います。さらに最近の機器に慣れた人なら、「このボタンを長押しするといいんじゃない?」とも予測できるかと思います。ここまでは、おそらく10人中5〜6人くらいまではたどり着くことができるはず(この時点ですでに問題があるんだけど)。

しかしそこまで予測できたとして、一生かかってもこの時計を合わせることはできないでしょう。ぼくはこの操作に30分以上悩んで、マニュアルを探した方が早いという結論に達し、そこからさらにマニュアルを探すのに数十分費やしたあげく、ようやく見つけた記述を見て「キシャァァァァッツ!!!!!」と何かに襲いかかりそうになりました。












060913_design05.jpg













ウル技(テク)かよ!!


ファミマガに投稿しなきゃ!





などと言って喜んでいる場合ではありません。

運良く「同時押し」にたどり着き、さらにそれを「長押し」するところまでたどり着いたとしても、最後に「5秒押し」という、世の中の常識から外れて天空の高さまでそびえ立つハードルが用意されているおかげで、誰一人として時刻合わせに成功できる人はいないという寸法です。こんな強固な“セキュリティ”が施されているのなら、常人にはもうお手上げというわけです。設計した人はよっぽど時計を合わせてほしくなかったとしか思えません。

ちなみにこの会社の製品で、サイトを見てたらこんなことも言っていましたが。



( ´_ゝ`)フーン




次はIH調理器の操作パネル。最近の家電製品は昔のように機械的なスイッチじゃなく、電子的なボタンを採用しているものがほとんどなので、ボタンの形や位置で機能を表す、ということがなくなりました。ボタンはどれもほぼ同じ大きさ・形で、もし説明がなければ操作は不可能。デザインすることを放棄して、文字に頼りきっているという例です。



ボタンに大きな文字で説明を付けることが「使いやすさ」だ、と思っているメーカーも多いけど、日本語を読めない人が使う場合は? 視力の弱い人が使う場合は? などと考えると、文字に頼りきった設計というのはとても「使いやすい」とは言い難いものです。

確かに電子的なスイッチのほうが押しやすいし、慣れればスマートに使えます。ただこういった製品の場合は、新しく買い換えたとき、または普段使っていない人が使おうとするときには、説明を読まないと使えるものではありません。可動部分がないのでコスト的にも電子ボタンのほうが有利だけど、同じような形で同じような感触のボタンばかりになってしまうと、使う人はどんどん混乱していってしまうと思います。内部的には電子的だけど、感触としては機械的、というような操作方法を取り入れることも必要なんじゃないでしょうか。





ソニーのリモコン。一時のソニーのリモコンはこんなのばっかりで、本当にひどかったです。この中で手元を見ずに操作できる機能は、電源と音量ボタンくらいじゃないでしょうか。同じ形のボタンが整然と並んでいるのは見た目にも気持ちいいですが、使う人のことは全く考えていないデザインです。



ある製品に対して、「デザイン優先なので使いやすさは今ひとつ」などと評されることがありますが、ここで言っている“デザイン”はデザインじゃなくて、単なる“見た目”でしかありません。当然ながら使いやすさもデザインの大きな要素の一つなので、使いやすさを重きに置いていないものは「デザイン重視」と呼ぶのはおこがましいです。




これは良い例ですが、ディスポーザーの動作ボタン。ディスポーザーは「生ゴミのシュレッダー」なので、作動中は非常に危険です。

このボタン自体は何の変哲もないけど、良いというのはこのボタンが設置されている位置。流し台の正面に立つと手が届かず、そこから一歩動かないと押せない位置に設置されています。

流しの排水口に生ゴミを放り込んでからこのボタンを押すとガーッと動いて粉砕してくれるんだけど、もしこのボタンが、流しから手を伸ばせばすぐ届く位置に設置されていたとしたら…。

もちろんその方が便利になるかもしれないけど、前の例のシュレッダーの事故のようなことが頻発することは想像に難くありません。物理的に手が届かない位置にすることで、事故の可能性を少しでも低くするということが図られています。

位置や形状によって、使う人の行動を物理的に制限する、というのもデザインの手法のひとつ。意味のない(または使う人にとって意味がないと思われる)制限はストレスにつながるけど、それが理にかなっていれば問題なしです。

皆さんの生活の中にも気になるデザインがあったら、ぜひ教えていただきたいです。

投稿者 dennou : 2006年09月13日 18:20
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コメント

フムフムと読んでいって、SONYのリモコンの写真まで画面をスクロールしたら思わず噴出してしまいました。
本当に日本の家電はユーザーのことを全く考えておらず、「センスのないサラリーマン」がいかにも「仕様書フォーム」に線引きを使って書いたような白物ばかりですよね。どうにかしてください!
iPodが出たときは私の中ではとってもセンセーショナルな出来事でしたが。

投稿者 MOMO : 2006年09月13日 22:37

製品を作っている間にその製品の操作に慣れてしまって、
よもやユーザーがここで迷う、なんてことを想像できなくなってしまうということもあると思います。
あとは「説明書読めって書いてるんだからちゃんと読まないのが悪いだろう!」みたいな考えもあるのでは。

操作がわからなかったら、お客様相談室宛てに
「ここわかりにくいよ!」みたいに意見を言わないとダメですね〜。

投稿者 電脳 : 2006年09月14日 11:27

日本語表示のことですけど・・・。
エレベータの開、閉ボタンが矢印マークになっているとき、間違えて閉めてしまって大慌てでごめんなさい!決して悪気はないの・・・。ってな経験ないですか?
機種によって違うから、どっちかわからない・・・。
だったら日本語の方がいいかな?

投稿者 ai : 2006年09月14日 12:53

外向きと内向きの▲が並んでるやつですね。
これわかりにくいですよね〜。
一目でわかりやすいようにとアイコン化されているはずなのに、
形が似すぎているために、一瞬どっちか「開く」なのか判断できなくなってしまいます。
「開」と「閉」でも、形が似ているからこれもわかりにくい。
まだ「ひらく」「とじる」のほうがわかりやすそうです。

投稿者 電脳 : 2006年09月14日 13:31

今年の春、父がソニーの液晶テレビを買いました。リモコンが使いづらそうだったので(写真のものよりはマシでしたが)、私が去年買ったシャープの方がいいんじゃないかと勧めたのですが、性能が気に入ったらしく頑として譲りません。老眼鏡かけて、なんとか使っているみたいです。
うちのは、姉一家が遊びに来たときに、一瞬で使い方がわかっていたので私の方が驚きました。ゲーム機に似た十字キーがよかったみたいです。

ディスポーザーの件は、台所を設計した建築士の方が優秀だったんですね〜。まだ日本には導入されたばっかりの機械ですから、そういった配慮があると嬉しいですね。

投稿者 はるか : 2006年09月14日 13:50

湯沸かし器の現在時刻設定について「世の中の常識から外れて天空の高さまでそびえ立つハードル」というのはいささかオーバーではと思います。

たとえば、現在時刻設定専用のボタンとして
「現在時刻設定(時)」「現在時刻設定(分)」
の2つを設けたとしましょう。
これなら両押しも長押しも不要なので、現在時刻の設定操作自体は
明快になりますが、
単純にボタン数増加による混乱の可能性、
予約時刻設定との混乱の可能性、
コストアップの可能性、
といった問題が考えられます。
また、日常的にユーザが現在時刻設定を行う頻度は、
予約時刻の設定よりは少ないと想像されます。

これらのことを総合して考えますと、
現在時刻設定は多少不便な操作ではあるけれど、
説明書を見れば解決できるのであれば、
目くじらを立てるような問題ではないのではないかと考えます。

写真の湯沸かし器の操作パネルを見る限り、
ボタンが色分けされていたり、よく使うボタンは大きく、
逆に操作頻度の低いボタンはカバーで隠れていたりと、
工夫の跡が見られます。
現在時刻設定の面だけを切り取って批判するには説得力が
足りないと思います。

また、せっかくのblogなのですから、
「( ´_ゝ`)フーン」などと嫌味を言って次の話題に進むのではなく、
「自分ならこうするべきだと思う」というアイディアを
出していただいたほうが、建設的ではないでしょうか。
もしかするとメーカーの人間がここを見ているかもしれませんし。

投稿者 moko : 2006年09月17日 03:07

大きい記事とか、記事や、悪いんだ記事とかをデザインしたかったの♪

投稿者 BlogPetのさとぬ : 2006年09月17日 14:34

うちの湯沸し器大きいボタン3つで実に快適ですよ
液晶も光るタイプなのでとても見やすい

上の写真を見る限りよく利用すると思われる
主婦や高齢者をターゲットとしたボタンではないですね

投稿者 unknown : 2006年09月17日 19:57

>mokoさん
おっしゃるように新規のボタンを設ける意味はないと思いますよ。
ただ時刻あわせは、2つのボタンを5秒長押し、という特殊な操作方法を強いるほど使用頻度の低い機能じゃないと思います。実際何ヶ月かに一度は設定しますしね。
そのたびに「どうやってやるんだっけな〜」と説明書を引っ張り出さないといけないわけです。
で、生活家電とか住宅設備機器とかは、デジタル家電と違って説明書をすぐ読めるところに常備しているケースって少ないと思うんですよ。
たとえば10年後、20年後に操作を忘れてしまって、説明書をなくしてしまった場合とか、
他の人が引っ越してきた場合とか。
メーカーに聞こうにも、もう生産が終わって参照できる情報がないってケースもありますし。
この分野に限っては、基本は全ての操作が説明書がなくてもできるか、または装置そのものから操作に関する情報が得られるようになっていないとだめだと思います。

誤操作を防ぐために「2つ同時押し」「5秒押し」というハードルを設けているわけですが、
誤操作を防ぐためなら「同時押し」もしくは「長押し」のどちらかで十分だと思うんですよね。
さらにボタンのカバーの裏に「時ボタンを3秒長押し」とでも書いておけば十分ですね。
(一般的な長押しという操作は1秒または3秒というのがほとんどですから、それともまた乖離しているというのも問題かと)

あと写真の装置はよく考えられているように見えますが、
他にも例えば「お話し」ボタンを押せば、いかにも簡単に浴室に声が通じるように見えるけど、
実は「お話し」ボタンを一回押して、プププという音がしてから再度ボタンを押しっぱなしにして、押している間だけ声が通じるという複雑な操作になっていたりします。

ボタンの見た目だけじゃなくて、「これを押したらどうなるか」というレスポンスまでを含めて「ユーザーインターフェース」というデザインですから、そこに配慮がされていないと感じさせる機器はやっぱり問題だと思いますね〜。

投稿者 電脳 : 2006年09月17日 23:36

この文章を書いた方の頭をのぞいてみたい。

いわんとしていることはわからなくもないが、感情が先に立っており、文章が冗長なため、どうひどいのかがわかりにくくなっている。

まさにわかりにくさとはそういうことなのではないか?

投稿者 Anonymous : 2006年09月18日 01:26

>ここで言っている“デザイン”はデザインじゃなくて、単なる“見た目”でしかありません。

この種のデザイン、以前まではそれほど重要ではなかったけど、今では製品の魅力にとって最も重要な部分となっているといっても過言ではないわけで。
地味だけど堅実に使いやすいっていうのは、顕在化しつつあるソーシャルマーケティングの市場に置いても非常に優位に働くと思うわけで、後はそれぞれ企業がどの段階で気づくか、ですよね。
それにしても、日本にはこういった部分のデザイン技法を学術的に体系的に学ぶ場が少なすぎる気がしますよ。

投稿者 Anonymous : 2006年09月18日 07:54

11日の記事と併せて読ませていただきました。
「誰のためのデザイン」を思い出しますね。

>それにしても、日本にはこういった部分のデザイン技法を学術的に体系的に学ぶ場が少なすぎる気がしますよ。

あの本を一冊読むだけでだいぶん違うと思ってます。この手のデザインに関わる人はみんな読んでるものなのかな、と思いましたがまだまだそうでもないようですね。

あと、フールプルーフは大事ですね。
事故を起こしたシュレッダーにもそうなっていればと心が痛みます。

投稿者 t-aldehyde : 2006年09月18日 09:46

とても共感できる記事です。
UIはとても重要なのですが、作る側はどうしても新機能、多機能を優先してしまっている気がします。

ラジカセのループ再生の仕方が分からなくなってしまった今日
この頃・・・。

パソコンのアプリケーションなんかにもいえますよね。
マイク○ソフトのアプリケーションとか特に・・。

投稿者 noah : 2006年09月18日 23:10

二回めです。さとしくんの言わんとしている事、私はとても良く分かります。米国に数年住んで日本に帰国した時、本当に日本の家電(およびにWEBや業務用ソフトも含めて)の使いにくさには閉口しました。
デザインだけで「説明書」を読まなくてもある程度は使用できるようにユーザーを誘導するのは、良い製品として必須アイテムだと思うのですが、最近の日本製品はそれが掛けている物が目立ちませんか?

一般的に米国の製品はシンプルでも「初めての人でも誰でも感覚がすぐに掴めて使い易い仕組み&デザイン」になっており非常に使い易いです。これは電化製品に限らず建築物や駅・高速道路の標識も含め「デザインというものが全て効率性や機能性を備えている」のがわかります。移民や外国人も多いので出来るだけ(英語がわからなくても)感覚的にすぐに理解できる仕組みに極力近づけています。

翻って日本...「使いたいのなら説明書を細かく読め」という姿勢がまずひっかかるし、例えば説明書を読んでもどこに書いてあるかさえわからないし(特に携帯の説明書!)何十分もかけて探してようやく隅っこに小さな字で書かれているのを発見したらぶちきれますよね。だって非常に凝った事をしようとしているわけじゃないですし。だからさとしくんの給湯器の時間設定に対する反応は非常にもっともだと思います。
これじゃ世界の消費者マーケットで他国製品と競争しても負けるのは当たり前かも...

投稿者 MOMO : 2006年09月19日 13:29

なるほど納得する記事です。
普段こういう視点で考えることが無かったので、勉強になりました。

投稿者 通りすがり : 2006年09月20日 03:48

長押し、だけならまだしも、同時&長押しは反則ですよ〜。製品使うのはマニュアルを読みこなせる人ばかりじゃなくて、年齢も性別もいろいろなんだから・・・。
賃貸だと、説明書なんて新築の時しかないんですよ。ふたの裏に説明書いてあって、それで理解できるレベルでないと困ります!
ちなみに、コスト云々ってのは作る側の都合であって、製品ができて世の中に出てしまえば、消費者には何の関係もないんですけど。

投稿者 ai : 2006年09月21日 12:42

ぬおーーーーーーーーーーーーーーっっ!

助かります〜。
うちの湯沸しくんも1年に5分程度遅れていきます。
もうすぐ入居5年なので、約25分遅れているのです。
たしか去年、「このままではマズイ」とタイマーリセットを試みたのですが、まったく分からず、かといって取説を読もうともせず、、放置していました。
帰宅したら、試してみます!
もし、この超難関ウラ技でもダメだったら、取説読みます・・・。

投稿者 こまったちゃん。 : 2006年09月22日 08:58

うーん。同時&長押しって、けっこう多いと思うんだけど。知らない人にとっては、シングルボタン3秒押しでも、想像もできない方法じゃないですかね?しかも、間違えてモードに入ってしまうリスクもある。
あとね。誰かも言ってるけど、シスポーザの話はスイッチのデザイン関係ないでしょう?単に取付位置のお話。

投稿者   : 2006年09月23日 17:44

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